スコップ

あれは私が小学生くらいのときです。夏の暑い夜、ふと目が覚めると時計は2時半くらいを指していて、眠りにつこうとすると金縛りになり、目だけしか動かせない状態になってしまいました。体に力が入らないような状態で、泣きそうになりながら動け動けと念じているとなにやら外から音がしてきました。

当時私は2階の子供部屋で寝ており、窓が２つあり片方は道路側でもう片方は隣の家側でした。隣の家は空き家で、さらにその隣の土地にはボロボロの小屋と井戸があり、小学生のころは井戸が怖くて近づけなかったのを今でも覚えています。
音は少しずつ私の家の方に近づいてくるような感じがしました。よく工事現場などで使いそうな、大きなスコップを引きずるような音で、今思うとなぜスコップの音だと思ったのかも不思議でなりません。

ザリッ、、ギャリッ、、、ガガッガリッと金属と地面が擦れるような音が次第に近づいてきて、しばらくすると音が止まりました。
まさかわたしの家の近くに誰か来ているのかと思ったのですが、金縛りで動けない状態だったので確認することもできずそのまま寝てしまっていたようです。
翌日、まだ明るいうちに確認しようと家の周りを見に行ったのですが、そこで見つけたのはあきらかに道路に不自然に落ちている土や泥の塊で、隣の家と私の家の間に落ちていました。あれは何だったのでしょうか。