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うちの猫さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

無人島の夜
短編 2022/11/30 12:05 975view
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私の大学のサークルでは、無人島でキャンプをするのが夏の恒例行事になっていました。行く先の無人島は毎回ほとんど同じだったのですが、その年はどうしてもスケジュールの都合が合わず、他の島に滞在することになりました。無人島に着き色々探索していると、森の少し入ったところに小さな神社があることがわかりました。そこで、夜になったらその神社を舞台とした肝試しを行うことにしました。

肝試しの内容は、4人1チームで、神社に隠した自作の御札をそれぞれ1枚ずつ探してきてもらうというものでした。私の所属していたグループは、最後から2番めの順番でした。私のグループのうち一人がいたずら半分で、「御札をこっそり2枚持ち帰って最後のグループをビビらせてやろうぜ。」と言い始めました。お酒の勢いもあってか私たちは全員それに賛同し、御札を2枚見つけどちらも持って帰ってきてしまいました。

ところが、最後のグループもまた御札を持って帰ってきていたのです。私たちは驚きましたが、もしかしたら1枚多く作っていたのかもしれない、と自分たちが御札を2枚持って帰ったとは言わずにいました。それぞれが御札を見せあったとき、1枚だけ誰が書いたかわからない御札がありました。1番最後のグループが持ち帰ったものです。彼らが持ち帰ったときには暗くてよく見えていなかったみたいですが、ライトで照らしてよく見てみるとよくわからない漢字がびっしりと書かれていました。
「おい、誰だよこんないたずらしたやつ。」とその御札は飲みのツマミとなりました。

それで事は終わるかと思いきや、次の日、テントの中で目を覚ますと外はものすごい大雨になっていました。天気予報では2日間とも晴れのはずであったのにおかしいな、と思いながら島の管理人に電話をかけると、今日は大雨なので大きな荷物は置いたままでもいいから島から出たほうがいいと言われました。そこで、テントやキャンプ用品は置いたまま島を離れることにしました。

島から出て船に乗っていると、ものすごい音とともに雷が近くに落ちてきました。落ちた地点を確認すると、ちょうどさっきまで私達がテントを立てキャンプをしていたあたりでした。木や建物が何もない砂浜に雷が落ちテントが燃えているさまは見ていてとても不気味でした。昼まであそこで寝ていたらと思うとゾッとしました。

結局置いていったテントは使いものにならなくなってしまったので、島の方々に回収をお願いし、その島には二度と立ち入っていないのですが、もし次にあの島へ立ち入ったらと考えるといまでもゾッとしてしまいます。

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