落ちていた手袋

国道などの大きな通りには、手袋が落ちている事がある。

俺がとある国道の横断歩道を渡っていた時の事だ。

信号待ちをしていると、横断歩道の途中に片方の手袋が落ちているのに気が付いた。
信号が変わって歩いて近づくと、その手袋は手の形に合わせて作ってある、立体的で頑丈な作りの物だとわかった。
車が手袋を踏んだり、あるいは避けようとして事故になってもいけないと思い、中央分離帯に投げ捨てようと思った。
近づいてみると、かなり汚れている事が分かったので、とりあえず足で転がしてみた。
ところが、その手袋は予想に反した転がり方をしたので、思い切って指でつまんで拾う事にした。
実際に持ってみると、手袋は見た目以上に重たかった。

よく見ると、手袋には「中身」が入っていた。