謎の金属音

学生の頃の体験談です。

埼玉県の某所。心霊スポットとして有名な、廃トンネルの近くに到着。遊び帰りのノリで訪れたので深夜1時ごろだったと思います。

車を降りてそのトンネルが見えるところまで歩くと、あたりは今にも消え入りそうな、街灯のみが細々と光るだけの暗闇。もうこの時点で、行くのを嫌がっていた霊感が強い友人は動けないと言い出し、その場に座り込んでしまいました。私ともう一人は、動けなくなった友人とトンネルには入らずに待つことにしました。

残りの数名は怖がる様子もなく、携帯の明かりを頼りに、雑談を交わしながらトンネルの中に入っていきました。次第に声も聞こえなくなり、携帯の明かりも見えなくなり、トンネルの奥は暗闇に。あたりはシンとしていて、聞こえるのは静かに虫が鳴く声だけ。

すると突然。トンネルから　カーンカーンカーン…カン！キン！キィーーン…
何かを、金属と金属とたたくような大きな音が聞こえてきたのです。

待っていた私は、トンネル内に入った友人らが悪ふざけをしているのだと思いました。

でも違いました。
トンネルから出てきた友人は何も起きなくてつまらなかったというのです。
何かをたたかなかったか、音が聞こえなかったのか聞くと、全く何のことだかわからないというのです。

あんなに大きな音だったのに？私は恐怖に襲われ、座り込んでしまっっていた友人は肩を抱えて震えていて、すぐにここから離れたいと言うので、急いで車へもどりその場を離れました。

その後、特になにかがあったわけではないのですが、あの金属音が何だったのか。今でも謎のままです。