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ぴさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

田舎の奇妙な風習
短編 2022/11/18 17:40 1,969view

私は数年前に一度結婚をしました。

私は生まれたときから都内で住んでいる生粋の都会っ子なのですが、彼は上京してきた田舎の出身者でした。

だから彼に嫁いで田舎に住み始めたときには、本当に慣れないことに戸惑い、あたふたしました。

それでもその生活にやっと慣れてきたと思った頃に、あるお祭りが開かれたのです。

小さな村の小さな祭りでしたが、そこで起きた出来事が私を離婚に導いたのでした。

その祭りの日に私は変なものを見ました。

それは生きたカエルを生きた蛇の入っている壺に入れるというなんとも惨たらしい儀式なのです。

明らかにそのカエルの未来は見えていましたし、なぜそんな残酷なことをするのかと私は理解できませんでした。

なんでも壺から出したときに蛇がカエルを食べていたら、今年一年は豊作なんだそうです。

縁起がいいからというだけで続けているというこの儀式を聞いて、気持ち悪くて可哀そうで嫌な気分になりました。

一度夫に「あの祭りの儀式は必要なの?」と問いただしたことがあります。

夫は「当たり前だろう」と言って、私が理解できないことを理解できないようでした。

夫にとってはそれが当然なのでしょう。しかし、二年目の祭りで奇妙なことが起こったのです。

壺をひっくり返すと中からカエルが一匹出てきたのです。

けれど先に入れたはずの蛇はどこにもいなくて、周囲がざわつきました。

どこを探しても蛇は出てこなくて、探している内にカエルはどこかに逃げてしまいました。

いつもと違う状況に、「何か災いが起こる前触れでは?」とみんな怯えていました。

その年私は気味の悪い儀式を当たり前のように行う夫についていけず、こちらから別れを切り出しました。

だからその後、災いが起きたかどうはか知りません。

離婚して実家に戻ってからは、結婚当時とのあまりの生活の違いに安堵するばかりでした。

いまだにあのカエルはどうして無事だったのか不思議でたまりませんし、まるでカエルに食べられてしまったかのように忽然と消えた蛇の行方も気になります。

そこらの小さな蛇ではなく大きな蛇だったので、あれが消えてしまうなんて信じられなかったです。

あの日の衝撃はきっとこれからも忘れられないと思います。

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コメント(1)
  • 以前投稿された「カエルの化身」といい投稿者は蛙と縁がありますね。

    2022/11/18/21:56

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