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不思議体験

キーウ517さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

謎の影
短編 2022/11/15 12:13 724view

私は4年間ほど自衛隊に在籍していたことがありました。
その頃の体験談です。

自衛隊には全国に基地(駐屯地)があります。この駐屯地は基本的にその駐屯地内にある数個の部隊持ち回りで24時間交代制で駐屯地を警備するという仕事があります。
私はこの警備の仕事が何より嫌いでした。というのも、この警備の仕事は当然駐屯地の敷地内(主に屋外)を見回りするわけですが、簡単に言うとスタンプラリー形式になっているため、決められたコースを強制的にまわらくてはいけないのです。

この見回りをしている際は、明らかに知っている人であろうが知らない人であろうが(私たちのやっている警備隊とは別に当直が数名同じように見回りをしている)、必ず相手に決められたセリフで声をかけてその日に決められた合言葉を言い合わなければなりません。
このやり取りがお互いに面倒くさいので、暗黙の了解で気づいたらさりげなくお互いルートを少しずらしたりしながらかわすの定番なのですが、稀にこのやり取りをわざわざ真面目にやりたがる人がいるわけです。

ある日の警備でこのやりたがりに遭遇してしまいました。しかも、ルート的に完全にかわしきれない場所で遭遇したので私は意を決して声をかけるべく相手の方へ真っすぐ歩き始めました。その時、相手が脇に生えてた木に隠れました。どんだけやりたがりなんだよと思いながらイラつきがこみ上げてくる中一歩一歩私は歩みを進めました。
いよいよやりたがりが先ほど隠れた木の横を通り過ぎたのですが全く声をかけてこない…。
開き直って、私が自ら振り向き声をかけたら誰もいないんです。
木以外に隠れる所も、他の抜け道も一切ない場所です。
そこから私の鳥肌が止まらなくなり、すぐさま無線機で上司に報告しようとしたのですが、なぜか雑音だらけで全く話ができず。半泣きで警備室まで戻りましたが、上司の無線は何も音は鳴っていなかったそうです。

未だにあれがなんだったのか分からず仕舞いです。

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関連タグ: #声#自衛隊
コメント(1)
  • なるほど。しかしゲリコマの類ならもっと恐ろしいですよね。

    2022/11/15/21:14

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