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呪い・祟り

kanaさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

狩り宿の男 (加筆修正版)
短編 2022/11/06 20:54 3,617view
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あるときハンター仲間で歯医者でもあるAさんが、アメリカからポインターの
仔犬を120万円で購入し、自慢たらたらハンター仲間たちに見せびらかしておりました。
その仔犬はアメリカの狩猟犬の大会で優勝したことのある犬の血統書付きで、
訓練と称して山へ連れてきていたのです。

しかし手を離した瞬間、仔犬は猛烈な勢いで走って行ってしまい、
呼べど叫べど戻ってこない。
ようやくクルマに戻ってきたのは夕方だった・・・ということがありました。

日本の猟は山で行うのが主体なのに対し、アメリカでは大平原で馬にのってハンティング。
そのため平原を猛スピードで走る猟犬へと進化させてきたのです。
このポインターの血統もまさにそれでした。

そこで歯医者はこの大事なポインターの仔犬を日本の山野に合うよう訓練するため、
「ノテさん」と呼ばれる男に預けることにしました。

「ノテ」とはこの土地では乱暴者を意味する言葉で、かなり野蛮なイメージを
持たれている山男でしたが、彼は狩猟シーズンになるとハンターたちの水先案内人をしたり、拠点となる「狩り宿」を営んでいる男でもあります。

狩猟シーズンが終わると、ハンターたちから犬を預かり、
訓練して生計を立てることもしていました。
犬の訓練に関しては県内随一との噂で、多くのハンターがノテさんに犬を預け、
訓練してもらっておりました。

自分の犬だけはかわいがってもらおうと、ハンターたちはノテさんにいろいろ支援したり、
高級なドッグフードなどをたんまりと渡しておりましたが、だいたいはそんな高級なエサは

犬には渡らず、ノテさんの貴重なたんぱく源になっていたようです。

歯医者のAさんからポインターを預かったノテさんは、
訓練開始早々にサジを投げてしまいました。
走るように作られた血統は訓練ではなかなか直すことができない。
ましてや優勝犬の血統です。

そこでノテさん、一計を案じ、この仔犬の前足を鉈で1本切り落とすことにしました。

しばらくして傷口が治ったところで再び仔犬を山に連れていきました。
が、3本足になったにもかかわらず、仔犬は元気に山野を駆け回り、
その辺に生息しているキジやヤマドリを追い払って帰ってくる始末。

これはハンターからしてみれば、ダメ犬・駄犬以外の何物でもありません。
そう思ったノテさんは、今度は仔犬の後ろ足も1本鉈で切り落としました。

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コメント(3)
  • kamaです。このお話はずいぶん前に書いた作品を、できるだけわかりやすく短めにまとめた加筆修正版です。仔犬への虐待シーンなどがあり、不快に思われた方もいるかと思いますが、この部分は実話を元にしている部分でもあり、そのままの状況を書かせていたただきました。

    2022/11/06/21:00
  • ご冥福をお祈りします。

    2022/11/06/21:00
  • kamaです。
    こちらのお話の解決編として「-事件記者 朽屋瑠子-」という作品も書かせていただきました。
    合わせて御覧ください。

    2023/01/03/21:28

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