夜の街あるある

私は良く、隣街の、急行が止まる大きな駅の居酒屋で飲んだりします。

私が行きつけの店に行く途中にはいつも立ちんぼの様な女性がいました。いつも私や通行人へ声をかけていました。ある時を境に居なくなりました。

その日、いつもよく話す居酒屋の店主と私とはかなり盛り上がっていました。その際ふと、私は頻繁に見かけていた立ちんぼの女性の話しをしました。しかし何故か、それを聞いた店主は怪訝そうな表情で、そのことについてはあまり会話をしたくない様子でした。

数分すると店主が口を開き、「実はあの立ちんぼの女性最近亡くなったそうで」と語り始めました。「何故知っているのですか」と私は直ぐに尋ねました。店主は眉をひそめ「立ちんぼでひっかけた中年の男性と遊んでいる最中に殺された。何故殺されたのか真相は分からない」と、重たい口を開きました。

隣に居たお客さんも、「その話はこの辺りでは皆知っているぐらい有名だよ」と。

私だけ何故知らないかと変に思いました。

数日経ち、私はいつものように駅を降り、あの居酒屋へ行こうとしていました。以前女性が立っていた立ちんぼのスペースにあの女性と似た人が立っていました。私はふとその女性に声をかけました。「以前からいる人ですよね」と尋ねると、「そうだよ」と返事をしてくれました。私はビックリして一目散に行きつけの居酒屋へ走りました。

居酒屋へ入るといつもいるはずの店主がいません。他の店員へ尋ねると、「店主は２週間前に事故で亡くなったのだよ」と云ってきました。

私は気が動転して、先週会った店主は幽霊だったのか、私が店主の幽霊に騙されたのだと感じました。