奇々怪々 お知らせ

心霊

仔鴨の冒険さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

足首の手形
短編 2022/10/24 23:55 550view

20年ほど前、私が大学生時代に下宿していたアパートでの話です。

夜中、ベッドで寝ていると、左の足首をつかまれる感覚があったのですが、金縛りにあって目を開けることも、体を起こすこともできませんでした。
なぜか、つかんだ手の感触が“子どもの手”、“ミイラのようにカサカサと乾燥している”ということも感じ、しかも、左側へ引きずり落されるような感覚もあり、そのまま恐怖で私は意識を失いました。
翌日、目を覚ますと、私の体はちゃんとベッドの上にありましたが、左の足首を見ると、手のひらの大きさに対して、指の部分が異常に長い、赤黒い手形がくっきりと残っていました。

当時、私が住んでいた部屋はレディースマンションだったので、家賃の割りに比較的セキュリティに気を配られていたようで、1階の入り口はオートロックだし、4階建てのアパートの3階、窓は北側に縦30㎝×幅1m半の小さなものと、南側に縦1m半×幅1m半くらいの出窓(正面は開けられず、左右が20㎝ほど開くだけ)の2つだけです。
北側の窓の周囲には足場になるようなスペースはないし、出窓の方も、玄関前の通路から飛び移っても、開けた部分から入れるようなすき間もないです。
当然、玄関のドアも施錠して、チェーンも掛かっていました。
何より、ベッドの左側は、室内用の折り畳み式の物干し台を収納していたとはいえ、壁との間のすき間は20㎝ほどしかなく、仮に子どもでも入れるすき間なんかじゃないのです。

あれが何だったのか、あのまま引きずられていたら、どうなっていたのかと思うと、今でもぞっとします。

1/1
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。