急に現れた13階段

私が通っていた埼玉県のとある小学校に伝わる話です。そこは昔広大な墓地があったらしく、その後何らかの理由で小学校が建ったと噂されていました。今でも墓地に埋葬されていた霊の魂が小学校をうろついており、目撃証言もいくつかあると言われていました。

9月に入ったばかりの蒸し暑い日の放課後、私は当時仲の良かった友達と3人で教室に残って遊んでいました。気がつくと時計が4時44分を指したところ。夕日が少しだけ差し込む教室はやけに静かで何だか気味が悪くなった私達は帰ることにしたのです。教室は3階にあったので１階まで階段で降りていましたが、２階へ続く階段を降りておかしな事に気が付きました。普段は12段しかない階段が、何故か13段あったのです。私は友達ともう一度３階から数をかぞえて降りてみました。するとやはり階段は13段あります。普段12だんしかないのは間違いがないため、私達は恐怖を感じて走って１階に続く階段を駆け下りました。

翌朝学校へ行った私は、クラスの友達にこの話をしました。確かめてみようと言うことでその日も同じ時間に階段を数えてみましたが、ちゃんと12段でした。あの日の13階段は一体何だったのか今でもわかりません。けれど確かに1段多く階段は存在していました。