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呪い・祟り

獄画廊さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

置かれていた壷
短編 2022/09/25 21:22 904view
これは寺の住職となるべく修業している友人に聞いた話しです。

その日、朝のお勤めをしようとしていた友人が戸を開けたところであるものが風呂敷に包まれた状態でそこに置かれていたそうです。本来なら警察に届けるのですが、友人の寺ではそういう事がよくあるので特に気にしないで合掌した後、本堂に持っていく事にしたそうです。

友人の寺には所謂「いわく付き」のものが持ち込まれる事があるらしく、住職――友人の父に直接対面してお願いする人もいれば、こうして何も言わずに置いていってしまうだけの人もいるらしいです。酷い話しです。

でも慣れっこになっていた友人はそれを住職に渡して朝のお勤めを済ませたらしいのですが、その後に住職に呼ばれて、それを見付けた時の事を事細かに聞かれて疑問に思ったとの事でした。

置かれていた風呂敷に包まれていたのは大きな壷だったそうです。

――真っ白な陶器の壷。

多少の汚れはあるものの美しい壷だと思ったのだと友人は言います。ですが住職はずっと難しい顔をしていたのでどうしたのか聞いたら、それは呪物、呪いが込められている可能性があると言われ驚愕したらしいです。

住職に言われて壷の中を覗き込んだ友人はそこで違和感を覚えました。白い陶器の壷なのに中の色がドス黒かったと言うのです。一体どうしたのだろう、と思い住職に聞くとその返事はゾッとするものでした。

「中に塗られているのは血だ。恐らく人間の血だろう」

陶器は磁器と違い水を吸い込む性質があるから血液を染み込ませて呪いを掛けたのだろう、というのが住職の判断でした。

「これは丁寧にお経を唱えた後、封印しないといけない。お前も手伝え」

これが友人にとって初めての呪物の封印となったそうです。

この壷は誰が作り寺に置いたのか今もって分かっていません。今も寺の奥で大事に封印されているそうですが、夜中にその封印されている部屋の前を通るとカタカタと音がするとか。ですが詳しい事を友人は教えてくれません。知らない方がいいと笑うその顔が私には少し恐ろしくて堪らないのです。
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関連タグ: #寺#警察
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