後ろの女の子

昔、片思いをしていた男の子が休みの日に自転車の後ろに綺麗な女の子を乗せているのを見かけました。

私は車の中からそれを見て、すごくショックを受けました。

その子に彼女ができたんだと思ったからです。

私は翌日の学校で、片思いの子に話しかけたのです。

それとなく、自転車の人のことを聞こうと思ったけど、うまくできずにストレートに聞いてしまいました。

あわあわするかと思ったら、片思いの子は少し考えて「見間違えじゃない？」と言ったのです。

私はその子が誤魔化しているんだと思って益々ショックを受けました。

それから数日後も学校の帰り道で、私は片思いの子が自転車の後ろに女の子を乗せているのを見ました。

しかも私とすれ違うときに、後ろの綺麗な子が私に手を振ってきたのです。

私はショックで泣きそうになりました。

これで恋心が儚く散るんだと思ったけど、後日その子に聞いてみたらまた同じように「何の話？」と誤魔化されたのです。

それから少しして、またあの子を乗せているのを目撃しました。

次こそはシラバックレられてたまるかと私はその場で、片思いの子に「後ろの子誰？」って聞いたのです。

ばっちりその場を抑えたと思ったし、私は今度こそ失恋をする覚悟を決めました。

けれど相手は自転車の後ろを振り向いて、「は？誰もいないけど」と言いました。

私は驚いて彼の自転車の後ろを見たら、本当に誰もいなかったのです。

自転車の後ろに人が乗っていたかどうかでしばらく言い争ったけど、私がその子の特徴を言うと、片思いの子はすごくおどおどし始めました。

私が見た容姿が自分のお姉さんにそっくりだったからでした。

私はその子のお姉さんを直接見たことはありませんでした。

理由は数年前に病死しているからなのです。

結局片思いの子を怖がらせてしまっただけで、それから気まずくなってあまり話さなくなり、私の片思いは儚く散りました。

後ろの女の子は本当に死んだお姉さんだったのでしょうか。

私に手を振ったあの姿がとてもリアルで、あれがお姉さんの幽霊だったらがっつり見えすぎて怖いと思いました。