いない叔父の声
投稿者:Type-T (1)
これは私が小学校中学年の時のお話です。
私には近所に住んでいる父の弟である叔父がいました。
その叔父の子供である従兄弟たちと一緒によく遊んで、というより今思えば面倒を見てもらっていたんですが、その事もあって私は叔父のことが大好きでした。
ある日、祖母の家で叔父や従兄弟と遊んで実家に帰りご飯を食べていると当日小学生の妹が「叔父さんの声がする」と言い出しました。
近所に住んでいるといってもこんな時間にわざわざ来るとは到底思えませんし、念のため玄関周りをサッと確認しましたが叔父の姿はありませんでした。妹は絶対に声がしたと言いますが、気の所為だろうということになりその日は眠りました。
そしてその次の日、叔父の訃報が届きました。当時の私はまだ幼かった事もあり、実感が湧かず唖然としていましたが、ともかく理由が知りたいという気持ちだけは強く、叔母に理由を聞きました。
しかし叔母は詳しいことは教えてくれず「眠ったまま安らかに亡くなったんだよ」とだけ教えてくれました。
そして時間が経ち、私が高校生になった頃ふとしたきっかけで叔父の死因が煉炭による自殺だと知りました。改めて原因を知ったことによるショックはとても大きかったですが、それよりも奇妙なことを思い出したんです。
叔父が亡くなる前日に妹が聞いたという叔父の声。実はそれについて寝る前に妹に私は聞いていました。
「叔父さんの声がしたって言ってたけれど、なんて言ってたの?」と私が聞くと、妹は「遅くにごめん、とかさようならって言ってた」と返していたのです。
当時は姿も見えないし、どうせ気のせいだろうと思っていたのですが、叔父の死因を知っ他時、もしかしたらあの日亡くなった叔父が先に行ってしまうことに対して私たちに別れを告げに来ていたのかも知れないと思いました。
子供は霊を感じ取りやすいと言いますし、当時一番幼かって妹だけが叔父の別れを感じ取ることができ、それを伝えたのでは無いかと私は今でも信じています。
当時小学生だった妹がいる、叔父(父の弟)の子供たちに面倒を見てもらってる幼い姉。
いくつなんだ。
一行目に書いてあるが…