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不思議体験

R333さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

電話BOXでうごめくモノ
短編 2022/09/18 21:18 1,281view

これは私が高校3年生の頃の話です。
仲の良い友達3人と卒業旅行を兼ねてスノーボードに行こうという話になりました。
当日、高校生らしい無計画さで夜の11時頃目的地に到着。当然ホテルなども取っておらず、朝になるまでファミレス等で時間を潰そうということになりました。
しかしファミレスも深夜2時に閉店。雪国の寒空の下に放り出されました。
しばらくコンビニ巡りなどをして時間を潰していましたが、友達は疲れてきている様子。
ふと無人駅の前にある公衆トイレが目に入りました。
「俺、疲れてきたから、ここで休むわ」
友達の一人が言いました。ちょっと不衛生ですが、風がしのげるだけマシと思ったのでしょう。
もう一人の友達も同意し、2人でそこにいることになりました。
私ともう1人はまだ少し元気だったので、またコンビニ巡りをすることに。

それから30分ほどコンビニ巡りをして、ぐるっとまた先ほどの公衆トイレの近くまできました。
最近ではすっかり見なくなってきた電話BOX。その当時はまだあちこちにありました。
その公衆トイレのすぐそばにも電話BOXがあり、街灯もほとんどない薄暗い公衆トイレの周りをぼんやり照らしていました。
歩いている道からその電話BOXまでは50mほどあり、はっきりとは見えませんでしたが、人っぽいモノが電話BOXの中にいるのが見て取れました。なにかモゾモゾしているようにも見えます。
「あいつら、きっとトイレじゃ寒かったから、電話BOXに移動したんだぜ。」
友達がそう言って笑いました。
そう言われると、たしかに電話BOXの中で2人でおしくらまんじゅうをしている様に見えました。
私も吹き出して笑いました。
なにやってんだかと言って、まだまだ元気があったのでそこは通り過ぎ、また別のコンビニに移動しました。
30分ぐらい過ぎてさすがに疲れてきたので、先ほどの公衆トイレに戻りました。

電話BOXにはもう2人の姿はなく、公衆トイレに戻ったのかと思いましたが、トイレの中にも二人はいませんでした。
電話をかけてみると、そこから歩いて5分ほどの場所にいるとのことだったので、私たちもそちらへ移動しました。
そこは少し雨風のしのげる個人商店の軒先でした。
「いいとこ見つけたな。」
などと笑いあっていると、私と行動を共にしていた友達が言いました。
「そういえばお前ら、さっき電話BOXでぎゅうぎゅうになってただろ?やっぱトイレ臭かったのか?」
ニヤニヤしながらいう友達に、別の友達が怪訝をそうな顔をして、
「は?電話BOX?いや、そんなとこに入ってないよ。お前らが出てった後、トイレの一番奥の個室から変なうめき声みたいなのが聞こえたから、怖くなってすぐにこっちに移動したんだよ。」
と言ました。
私たちはより寒さを感じ、みんなで押し黙ってしまいました。

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