浮く両足

学生時代にホラーが大好きな友人たちと心霊スポットに向かった時の話です。

地元にあった廃病院と言われている場所で、深夜に男女合わせて8人程で集まって向かいました。

その建物はフェンスで囲われていて、中に入ると入口は木の板で覆われていて侵入をする事は出来ないようになっていたのですが、その時は心霊スポット好きの誰かが先に侵入しようとしたのか壊されていました。

建物内に入るのを躊躇していると、集団の中の一人の女の子が突然「ちょっと待って！」と叫んで、その声を聴いて全員が振り返ったのですが…

女の子は必至に目の前の男性の肩に掴まっており、あまりの不自然さに足元を見ると両足が何かに引っ張られるように浮いていました。

数分程度、宙に浮いたままの両足に女の子は泣いて助けを求め、その助けを求めて周辺の男子は女の子を必死に支えている状態で、流石に建物に入る前に怖い思いをした事もあり、女の子を引きずるように敷地内から脱出しました。

帰りの車内で女の子の足元を確認すると、くっきりと手形のようなものが確認でき、紫色のアザのようにも見えました。

それ以来その場所には行っていませんが、生きてきて一番怖い体験でした。