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不思議体験

旧少女さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

親友からのメッセージ
長編 2022/09/03 21:42 3,394view
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20代前半の頃、ある年上の男性と恋をしていました。
でも彼ははっきり「付き合おう」とは言ってくれず、でも私は彼が大好きで、もやもやしながらも一緒にいました。

そんなある時、友人から、「これ、彼じゃない?」
と見せられたのはネットの記事で、そこには彼が奥さんと子供と幸せそうな顔をしている写真が掲載されていて、
そこで初めて既婚者であることを知りました。
私は本当にショックで、でも彼のことが好きすぎて彼にその記事を見たとも言えず、その後も2か月ほど、以前と同じように彼に会っていたのです。
帰ってきたら毎回悲しくて切なくて泣いて、でも会えなくなるなんて考えられなくて、ずっとその苦しい日々が続いていました。

そんなある時、小学校からの親友が少し重い病気に倒れたのです。
彼のことで毎日辛かった私からするとダブルパンチで、それはそれは苦しく、
「神様、どうしてこんなに辛い思いをさせるの?」と思うほどでした。
でも親友に会いたくて、お見舞いに行きました。
「なに、あんた、暗い顔して!」と病室に入って開口一番、彼女の明るい声に拍子抜けして、わんわん泣いてしまい、

好きな人が既婚者だったこと、まだそのことを彼と話せていないことを告白しました。
すると「あんたがそれで幸せならいいけど、めちゃくちゃ暗い顔してるじゃん。私は絶対反対!そんなの、ずるすぎるよ。さっさと別れなよ。」と親友。
そんな綺麗ごとで片付かないよ、、と思いながらもその日は意外に元気そうな彼女の姿にホッとしたのと、
話を聞いてもらって少し気持ちが軽くなったのとで帰りました。

その2週間後くらいにまた病室へ。
たった2週間で、少しやせたような親友は「で、言ったの?別れた?」と病室に入るなり言うのです。
「あのあと一回会ったけど、やっぱり言えなかった、好きなんだもん」と私。
「あんたさ、そんなことしてその人に時間使ってる間にどんどん年食っちゃうよ!」と親友。
「なによ!まだ20代なんだから大丈夫だもん。私そんな焦ってない!今目の前に好きな人がいるんだもん。仕方ないんだもん!」と返すと
彼女は「それはあんたが元気だから言えるんだよ!病気になって、好き勝手出来なくなったときに、あの時こうしたらよかった、もっと時間をこう使うんだった、って思っても取り返しつかないんだから!」と。
私は何も言えず、ただただ泣いていました。
その姿を見て親友は「わかった、あんたが言えないなら私が言ってあげるから、電話だしな。」と、

顔色も悪く、か細い腕を伸ばして言ってきたのです。
「もういいって!何よ。お母さんみたいなこと言ってさあ!何様よ!」と思わず言ってしまい、
「もう帰る!」と病室を飛び出そうとしました。
その時親友も泣きながら、一生懸命声を絞って「ねえ、幸せを選んで。にっこりしててよ!暗い顔になるようなこと、選ばないで。」と言ったのです。
そして私は病室を飛び出しました。

そのほんの1週間後、その日は職場で資格試験がありました。
いつもは時間ギリギリに行くのになぜかその日は朝、純喫茶でモーニングを食べて、なんとなく、懐メロを聞きながら試験勉強の復習をしていました。
懐メロを聞くと入院している親友との思い出が沢山思い出されました。
小学校の時、一緒に泥んこになって遊んでいたこと。
中学生になると同じ吹奏楽部に入って、朝から晩まで練習に励んでいたこと。
その吹奏楽部で一緒に吹いたJポップの曲が2人とも大好きで、よく二人で吹いたりもしていました。
その曲をリピートで何度もかけて、なんだかとっても親友に会いたくなって、
試験の後、この後夕方、病院に顔を出そう、この間の事、謝ろうと思っていたのです。
そのまま朝から携帯の電源を切って、試験会場でひたすら試験を受けていました。

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コメント(1)
  • ええ話やないか

    2023/01/03/00:44

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