奇々怪々 お知らせ
           
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不思議体験

実際に死神に会った話
中編 2021/02/14 20:41 959view
あれは私が18歳の時。海外留学中の出来事でした。
留学して8ヶ月目になろうとする時。環境の違いや、クラスの課題などで疲弊した矢先に、私は極度の脱水症状と疲労により、寮のベッドの上で倒れてしまいました。その時人生で初めて救急車に乗りました。だいたい夜の8時ぐらいだったかと思います。ストレッチャーに載せられ、車内に入る時、空に星と月が輝いているのが見えて、無性に腹がたったのを覚えています。私がこんな逼迫した状態なのに、夜空は今日ものんびり瞬いている。一人憤慨したのを覚えています。救急車は夜だということで、日本のようにうるさいサイレンはならさず、さながら霊柩車の如く静かに私が暮らしていた寮から出発しました。留学先の大学に医学部もあり、大学病院の個室に搬送されました。

病室に寝かされると、殺風景な部屋に一人きりになりました。意識は朦朧とし、強い腹痛が、押しては返す波のように私を襲ってきました。こんなに痛いのなら、いっその事死んだほうがマシだとも思いました。病室に寝かされ、腹痛でうなされ続けてから30分ぐらいが過ぎた頃でしょうか。びっくりしたのですが、突然腹痛が止まったのです。私は驚きと同時に、奇跡が起こったと思いました。腹痛や疲労感など何もなくなり、とても気分が良くなったのです。私は本当にうれしく、やっとあの腹痛から開放されたと思い喜びました。

ただ、おかしいのです。先程まで、病室だと思っていたのですが、あたりが真っ暗なのです。喜びもつかの間、私は、ここがどこだかわからなくなりました。墨を落としたかのごとくあたり一面真っ暗なのです。一瞬あまりにも腹痛が激しくて失明したと思ったぐらい真っ暗でした。そうすると、遠くの方から、何か見え始めました。真っ暗だったので、暗闇で見るはじめてのものに私は目を凝らしました。それは最初点(ドット)のように小さいものでした。それがジグザグにゆらゆらと浮遊しながら、こちらに近づいて来ました。今思えば鎌にまたがって浮遊していたかもしれません。私は、凝視し続けました。そうすると、パッとそのものが消えました。

えっ!と思った瞬間、私の背後に何かの気配を感じました。もちろん、私の後ろは白い病室の壁のはず。とにかく恐る恐る私は振り返ってみました。すると、そこには、黒いローブを着た骸骨がいました。私は一瞬でこれは死神だと思いました。たぶん誰が見ても、そう思うといわんばかりの典型的な風貌でした。私は最初唖然としていたのですが、死神に話しかけてみました。

私「Is It time?」
死神 「...」
私は、死神は英語がわかならいのかと思い、
私「もうその時ですか?」
死神「...」
死神の瞳があるはずのところは髑髏の深い闇があるだけで、なんの反応もありませんでした。
私は私の言ったことわからないのかなと思い、再度
私「私の寿命はつきたのですか?」
死神「...」

ただ今回は、死神の顎が一瞬動いたように思いました。私は、そうか私もこれまでかと思いました。ただ私はえらく冷静で、死神なら大鎌をもっているはずなんだがなぁと心に思いました。その瞬間暗闇からスゥーっと定番なあの大鎌が出てきました。この鎌で私の身体と魂をつないでいる紐のようなものを切るんだろうなあと想像しました。その大鎌は私の首元でぴたっと止まりました。死神が少しでも鎌を引けば、その紐は切られていただろうと思います。私はビクビクしていました。後少し鎌を引けば、どうなるのかと思った瞬間、死神は鎌を引かずに、私の首元から鎌を離しました。私は、えっ!と思い、死神の方をみると、まだあの無反応な骸骨がこちらを見ていました。すると、ゆっくりですが死神が少しづつ遠ざかりだしました。そして、最初見たときのように、ジグザグ浮遊しながら、私から離れていったのです。その後姿を見ながら私は、また別の人間を探しているのだろうと思いました。

死神が見えなくなるのと同時ぐらいに、あの強烈な腹痛がじわりと戻ってきました。身体の疲労感も戻ってき、視覚ももどってきました。やはり最初に到着した、病院の個室にいました。私はなんとか身体を起こして、足元にあった鏡台の鏡を見ました。とにかく自分がこの世にいるのか確認したかったのです。鏡に写った自分を確認できれば、まだ生きていることが認識できるだろうと思いました。

鏡の向こうに私はいました。ただ、その鏡にうつる私を見た瞬間、私は絶句しました。顔が真っ青だったからです。この真っ青と言う言葉は本当にすばらしい言葉だと思います。文字通り、私の顔は青かったからです。よくホラー映画でみる亡霊のような姿でした。青白い顔の私が、こちらを見ていました。その自分の顔にびっくりし、なんだかとても笑えてきたのを覚えています。
また貴重な体験が出来たことに心底嬉しかった自分がいました。現にこうやってネット上に自分の体験談を語ることができています。この経験は十年以上前にもなるのに、今だにはっきりした記憶があります。
入院したのは2日ほどで、まだ100%回復ではなかったのですが、夜中四時間ごとに起こされるのが嫌で、早々に退院しました。夜中四時間ごとに起こされると、回復するべき身体も回復しない。私は、ナースに聞いてみました。なぜ夜中に起こしに来るのか?あれは必要ないからやめてくれと頼んでみました。するとあなたが夜中に死んでいないかどうかを確認している。病院のルール上いやいや私もやっている。とのことでした。
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