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キミ・ナンヤネンさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

粉瘤
短編 2022/08/15 00:39 1,574view
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俺は中学生の頃に盲腸で入院していた。

盲腸自体は全く問題ない状態で、滞りなく手術は無事成功した。

退院する頃になって医者が言うには、また入院する必要があるかも、という事だった。

病気の事など当時の自分にはよくわからなかったし、退院できる嬉しさで、話をよくきいていなかった。

退院して半年ほど経った頃だった。

盲腸の手術の痕がまだ濃く残っている10センチほど上に、コブのような物があることに気が付いた。

最初はその高さが3ミリも無かったはずだが、1ヶ月2ヶ月と経つうちに1センチほどの高さになっていた。

親に相談すると、盲腸で入院した病院へ行くことになった。

「…退院する時に、また来てもらうかも、と言いましたが、やはりそうなりましたね。」

医者がそういうと、さっそく入院することになった。

結局、1ヶ月ほど入院することになったが、体調自体は全く問題なかったから、それ以上に長く感じ退屈だった。

退院する時に医者は、それが「粉瘤(ふんりゅう)」だと教えてくれた。

「粉瘤」とはアテロームとも言われるもので、皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称です。(日本皮膚科学会HPより)

乱暴な言い方をすると、ただの皮膚の垢を摘出するためだけなのに1ヶ月も入院するんだろうか?という疑問を何年も持っていた。

親に言ってもいつもはぐらかされるばかりで、医者がそう言うのならそうなんだ、としか言わなかった。

それから20年ほど経った頃だ。

親も年を取り、改めて粉瘤の話をしてみると、実は取り出した粉瘤を見たという。

「別に見ようとは思わなかったんだけど…、お医者さんがどうしても気になるからって見せてくれたんだよ。」

「で、どんな物だった?」

「まあ、何と言うか、固まった膿というか、少し赤黒い塊というか…、でもその中に…。」

「その中に?」

「細くて短い産毛が10本くらいあったのかな…、それと小さな乳歯が2本…。」

「髪の毛と乳歯?」

親からさらに詳しく話を聞くと、俺には、生まれる事のなかった双子の妹がいた。

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関連タグ: #サイト#病院#髪の毛
コメント(1)
  • 粉瘤っていろんな所に、できますね。

    2023/05/02/07:57

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