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不思議体験

ミトコンドリアさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

お人形と家
短編 2022/08/01 23:38 926view

これは、私が小学生の時に本当に体験した不思議な話です。

私の家の近所には長い間誰も住んでいない二階建ての一軒家がありました。
怖い話、噂の類は出回っていなかったのですが老朽化が進んでいたり、誰かの私有地だったりした為、近所の子供たちが遊びで近づかないように大人たちは厳しく注意していました。

ボロボロの家に当時子供だった私が興味をもつこともなく
私は小学5年生になりました。

その当時私の周辺では怖い話ブームで都市伝説を集めた本が流行ったり、ホラー番組があるとその話題でもちきりだったりしました。
中には幽霊が見えると言い出す子や怖い体験をしたと言い出す子もでてきて
その子たちはいつもクラスの話題の中心になっていました。

私はその子たちが羨ましかったのでしょう、なんとかして私も怖い話がしたい、注目を浴びたいと思いつい嘘をついてしまいました。

「うちの近所にあるあの古いおうちの2階にお人形があって、その人形をお家から盗ったら呪われるらしいよ〜」

今思えば子供が考えたありきたりな怖い話ですが、
当時小学生のクラスメイト達は私の話を信じて興味津々に私の嘘に耳を傾けました。

その話を聞いていたクラスメイトの男の子が人形が見て見たいからあの家に行くと言い出したのです。

焦った私は危ないから、怒られるからと止めようとしましたが
子供の好奇心を止められる訳もなくその日のうちに彼はあの家に行ってしまいました。

私は嘘がバレるという焦りでその夜はあまり眠れなかったことを今でも覚えています。

翌日、彼は普通に学校に登校してきました。
そして教室に入ってすぐ私の机の上に紙袋をひとつおいて

「とってきた」と一言呟いて袋のなかからボロボロの雛人形を取り出しました。

子供だった私はとても怖くてその日から彼を避けるようになりました。
中学入学を機に彼に会うこともなくなりました。
あのボロボロの家もいつの間にかきれいになくなっていました。

ただ、その時の話を当時のクラスメイトにしても誰も覚えていませんでした。
あのボロボロの家のことも彼のことも
家族、兄弟、友達にきいても誰一人として覚えていません。
私は長い夢を見ていたのでしょうか。

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