私の生まれ～本来の巫女～

私は13年不妊の夫婦の間に産まれました。
二人とも不妊だったのですが、ふらりと訪れた神社でお参りすると、その次の月に妊娠が判明しました。
また何度か大病を煩い余命宣告されても宮司様の祈祷で生き続けました。
そんな私は一歳半ですでに正座して祝詞を覚えていました。
そのため、その神社の巫女として5才からつとめることになったのです。

といっても普通の巫女ではありません。神をおろすための巫女です。
そのための儀式は昔禁止されたのですがひっそりと残っていました。

お正月にそれは行われます。
まず始めに白装束に着替え滝にあたります。
そしていつものとは違う祝詞を宮司様が読み、普通の見せるようの巫女舞いではない動きをし続けます。

そうすると私の意識は遠のきます。
いわゆるトランス状態でしょう。
その間私からはいつもと違う声で今年のことを話すのだそうです。
私はその間の記憶はないのですが
外れたことはなかったそう。

そして五年ほど前に宮司様が変わると
意識がなくなるまでとても力がいるのです。
相性があるのでしょう。

私は今25才。次の巫女が生まれないためどうなるのか心配です。

あまり楽しくないお話で申し訳ありません。