のぞみちゃん

これは私が小学生の時に起こった不思議な出来事です。

ある日自分を含めた女の子の友達4人と廊下で遊んでいると時間を忘れ、雨が降っていたこともありあたりは真っ暗になってしまっていました。

「ちょっと怖いね」なんてみんなで話していた後のこと。

いつも帰り際に教室の鍵を誰が職員室に返しに行くかのジャンケンをしているのですが今日はなかなか勝敗がつきません。

「じゃあ2人ずつにわかれよう」しかし、私を含め4人で遊んでいたはずなのに3人と2人にわかれたのです。

「え？」誰かが一言発した時に急にとても怖くなりました。思い返してみれば円になってジャンケンしていた手が明らかに5人いたのです。

その時は一目瞭然にみんなで走って逃げたのですが、今思い返すと「のぞみちゃん」だったのではないかと思います。

私の通っていた小学校にはある噂がありました。昔学校で事故で死んでしまった「のぞみちゃん」という女の子のお化けが出るという噂です。

実際にその子が廊下をバタバタと走る音や椅子に座って足を揺らしているようなギシギシといった音を数人が聞くなど、誰もが「のぞみちゃん」を信じていました。

長年教師として小学校にいる先生に聞いてみると悪い事をするという噂はなく、ただ楽しそうな笑い声をいつも響かせているそうです。

きっと「のぞみちゃん」も楽しそうに遊んでいる私達に混ざって遊びたかったのでしょうね。

しかし当時の私たちにとってはトラウマになり暫くはチャイムと同時に逃げるように帰ったことを覚えています。