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心霊

まだまだ事故物件に住んでた時の話
長編 2021/02/09 00:45 4,353view
大学生の時に女性が自殺した東京都某区の格安好立地の事故物件に住んでた時の話を1つ、また思い出したので…

プロローグとして、本作品群は「あぶ○い刑事」シリーズをリスペクトしているため、六作目という事で便宜上 まだまだ と書いておりますが、フォーエバーと同じで事故物件の話は結構 稀薄で、今作はあくまでも事故物件に住んでいた”時”に起こった話を綴らせていただきます。

それでもよければ是非楽しんでいってください。

大学四年生の冬頃、龍角散だった俺はゼミにも通わず部室にある安いコタツに足を突っ込んで学校のWi-Fiを使いYouTubeで動画を見ていた。

冬休みに入ろうかというこのタイミングで、同期の友達はゼミや二月下旬の卒論の発表の準備などでてんやわんやしてる中、手遅れ状態の俺は窓の外の落ち葉が落ちたら死んでしまうおじいさんの様な、ある種の達観の域に突入していた。

時間的には普通に授業の時間だったので部室には俺一人しかいなく、寂しさにやられてた俺はコタツの電源をオフにし、帰ろうかなと思ったタイミングで丁度来訪者が現れた。
そいつは同じ学部の2年生で、以下Cとする。

Cは「ジョンガリさん、探しましたよ!」と言ってカバンを長机の上に置き、電源の消えたコタツに足を突っ込んできた。

俺は急いでコタツの電源をオンにして、なんか用か?とCに問うと、CはLINEの既読すら付かない俺の杜撰さを一通り罵倒したあと、怪奇現象に悩まされていると俺に相談してきた。

かいつまんで話すと、Cは上京してきて一人暮らしをしているらしいのだが、最近部屋で起こる怪奇現象に悩まされているとの事であった。

具体的にはラップ音や物音、部屋の電気が勝手に消えたりシャワーや水道が勝手に流れるなどで、俺は「コテコテのポルターガイストやんけ、ホンマかいな自分」と俺の中の(住んだこともない)関西人の部分が悪態を付いていた。

Cはムッとするでもなく、本当に頼りになる人がいないからとすがりつくような顔をして俺を見ていた。

話は聞いたけど、俺は別に拝み屋でも霊媒師でもないからどうする事を出来ないよ?と告げると、とりあえず家に来てくださいという事だったので、まぁこの後特に予定も無いしという事で俺は夜になったらお邪魔するよと言った。

Cは心底安堵した様子で じゃあ夜に と言いカバンを持って早々に部室を出ていった。どうやら空きコマにわざわざ探しに来るほど、Cの中では切羽詰まっている状態だということが読み取れて俺は俄然その怪奇現象とやらに興味を抱いた。

プロの龍角散である俺はカバンなど持って大学に来るはずもなく、教材などを2階にある自分のロッカーに突っ込み、タブレット片手に帰路についたのだった。

帰りしな俺は当時のマイブームであった大学近くの中華料理屋に昼食がてら一人で入り、レバニラ定食ご飯大盛りと紹興酒を一杯飲み、ごま団子と夕食用の海老チャーハンをテイクアウトしてから帰った。

家に帰り、ごま団子と海老チャーハンを冷蔵庫に入れた後水を一杯飲んでからタブレットと携帯を充電器に挿して昼寝と洒落込んだのだった。

そして夜、LINEの着信音で目を覚ました俺は後輩であるはずのCに呼び出されて、手土産代わりのごま団子片手にわざわざ再び大学に赴いたのだった。

Cにごま団子を渡し、大学の近くにあるCの家にお邪魔した。部屋はわりと綺麗であったのだが、リビングのカウンターの上に置いてある葉巻とシガーカッターなどの道具には驚きを禁じ得なかった。

お前葉巻吸うの!?とCに問うと「まだ吸ってないんですが、20歳になったし、カッコいいかなって…」と恥ずかしそうに語っていた。

なにか飲みますかとCは聞いてきたため、お酒あればちょうだいと言うと、Cはグレンリベットとコップと氷、そしてツマミを持ってやって来た。
シブい酒飲んでんなぁと俺が感心すると、Cは4000円くらいの安物ですよと言ってきた。

4000円あればJINROが四本買えるとか、俺だって金があればJINROなんぞ飲まんわとか、とにかく生意気なヤツめと俺は思ったのだが、よくよく見るとグレンリベットはほとんど減ってなかったため、葉巻と同じでこれも背伸びだろうなぁとちょっと微笑ましい気持ちになった。

Cは多趣味なヤツで、今はB級映画にハマっているとのことであったため、俺は興味もない上に引くほどつまらないサメ映画やゾンビ映画を見せられた。

動物たちがゾンビ化した動物園で、園長の娘にゾンビコアラの魔の手が迫るという今まさにその時、ユニットバスのトイレから水が流れる音がした。
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コメント(6)
  • 今回が一番おもしろかったです!

    2021/02/09/01:32
  • 面白怖くてジョンガリさんの作品、大好きです!次回も期待してます

    2021/02/09/01:45
  • 龍角散だった俺って何かと思ったけど留学生ってことかな?

    2021/02/09/12:40
  • 前の前の作品で、著者の大学では「留年確定さん」を略して「龍角散」と呼ぶと書いてありましたよ!

    2021/02/09/13:05
  • 龍角散>ありがとうございます。過去の話から読んでみようと思います。

    2021/02/09/13:33
  • この人の話は面白いなぁ
    笑いどころが多くて怖さは無いけどw

    2021/03/09/10:57