奇々怪々 お知らせ

不思議体験

犬型ロボットさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

不思議な路地
短編 2022/07/01 15:37 1,109view
1

これは、私が小学生の時に体験した怖い話です。
子供の頃の私は何故か路地が大好きで、外を歩いていて路地を見つける度、通り抜けて遊んでいました。

ある日の放課後、家まで1人で帰っていた時、ふと、「いつもとは違う道を通ってみよう」と思ったのです。
気の向くままに歩いていると、やがて今まで見たことのない路地を見つけました。
路地の真正面に立って観察してみると、幅は30cmくらい、奥行きは10mはあるかと思うくらい細長い路地です。

「ランドセルを背負っているし、何だか暗くて怖いし、ここはさすがに通り抜けられないなぁ」と思い、踵を返そうとしたその時。
路地の奥の方で、「そこに誰かいるのか」という大人の声が聞こえました。
びっくりして思わず「います!」と答えると、声の主は嬉しそうに「そうか、いるのか。ちょっとこっちに来てくれないか」と言ってきたのです。
私は怖くなり、「狭くて入れません」と答えて後ずさると、声の主は急に怒りだし、「こっちに来いって言ってるだろう!来い!早く来い!」と怒鳴ってきました。

あまりの恐怖に体が動かず、冷や汗をだらだら流していると、後ろから「君、どうしたの。迷子?」と、声をかけられました。
振り向くとそこには巡回中らしい警察官の方がいて、不思議そうに私を見ています。
私は「えっと、この路地の奥に誰か居たみたいで…」と言って路地を指さそうとして固まりました。
そこにあったはずの路地が、消えていたのです。

警察官の方は「路地?そんなのないけど…。この辺は街燈も少ないし、暗くなると危ないから早く帰りなさい。道に迷ったらならお家まで送って行こうか?」と言って、不審そうに私を見ます。
混乱しながら「大丈夫です!」と言い、私は逃げるようにその場から立ち去りました。

翌日、勇気を出してもう一度、あの路地のあったところまで行ってみたのです。
しかし、そこにはやはり路地などありませんでした。
あれは一体何だったのでしょうか。
あの声に言われるがまま路地に入っていたら、私はどうなっていたのでしょう…。

1/1
コメント(1)
  • そこに第三者が現れそれが警察官、ラッキーでしたね。

    2022/08/03/21:50

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。