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ヒトコワ

八尺マンさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

心霊スポットより怖い場所
短編 2022/06/20 21:34 1,625view
今から数年前

私はブラック企業に勤めていました
SEの仕事だったんだけど、とにかく残業につぐ残業
家に帰らないのが当たり前な生活でした

そんな状態になると、人って当たり前におかしくなります

私の先輩は自販機に向かって延々としゃべり続けていました
何をしているのかと聞くと、自販機さんに今日はコーヒーがいいか、コーラがいいか聞いているんだと真顔で答えられました

私の上司は夜中にトイレに行って帰ってくる度に、また男子トイレで裸の男の子が走り回ってたぞ! どうにかしておけよ! と私に怒鳴っていました

一番ヤバかったのは私の同期のM君
彼はもう色々なものが見えちゃっていた

自分の机に真っ白な服を着たおばさんが座り込んで困っているだとか
時々、自分の左手が乗っ取られて自分の首を絞めようとするだとか
廊下を歩いていると半透明なおじいさんがここはどこですかと聞いてくるだとか

そんなことを毎日言っていた

ある日、彼が来なくなって、何か知っているか上司に聞くと、

「何を言っている。窓の外にいるじゃないか。あいつ、あんなところで首吊りしやがって邪魔で仕方ないんだよなぁ」
と何もない窓の外を指さして、ヘケケケと笑いました

やがて、私もヤバくなっていって、鏡に映る私がケタケタと笑って自分の顔を引っ搔いているのを見たり、深夜残業していると窓の外に首を吊ったM君が

「君も外においでよ。涼しくて気持ちいいよ」
と笑っているのを見たりしていました

でも、その時は自分でヤバい状態だって気付かなかったんです

だって、先輩も上司もそんなカンジだったから、私がそうなってもおかしいことじゃないって、そう思っていたんです

慣れって怖いですね
慣れてしまえば、幽霊が見えても何も驚かないのです

幸い、私には気にかけてくれる学生時代からの友人がいて、私が異常な状態だってことに気づいてくれて、私を半ば強引に会社から引き離してくれたので、今は落ち着いています

今、思い返せば恐ろしい状態でした

いったいどこまでが幻覚で、どこまでが本物の幽霊だったかわかりません

ただ、私自身がオカルトに片足を突っ込んでいたのは間違いありません

皆さまもお気をつけください
ブラック企業な社内というのは、ある意味、そんじゃそこらの心霊スポットより遥かに狂気に満ちた場所なのです
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