封印した記憶

俺は実家暮らしの大学2年生

暇だったから、久しぶりに俺の写真のアルバムを見ていたんだ
そしたら、何故か何枚かなくなっている
数枚の写真がなくなっていて空欄になっていた
何だこれ？　と思って、母さんに聞いてみたけど、私は何もしてないという
父さんも同じ
お前の写真を捨てるなんてことするはずがないだろって返された
まあ、それはそうだ

でも、じゃあ、何故、あったはずの写真がないんだ？
もう一度アルバムを見てみると、前後の写真を見る限り、どうやら小学5年生の写真だけないようだった

何故、その期間の写真だけないんだろう？
小学5年の時に何かあったっけ？

俺はその頃に何をしていたか思い出してみることにした

小学５年は確か部活のサッカーで大会があって、そのために練習頑張っていた時のはずだ。
でも、ケガしちゃって、しばらく自宅休養になってすごい残念だったのを覚えている
それから・・・

「あっ・・・」
俺は思い出した
自宅休養中、俺は情けないやら悔しいやらでちょっとおかしくなっていた

どうにかケガがしたことがなかったことにならないかって思って、過去に戻るために変な儀式をしたんだった

今思えば馬鹿なことなのだが、その時はあんなに練習したのにケガをして大会に出られないってのがどうしても受け止められなかったんだ

確か漫画にあった過去に戻る方法をやってみたんだと思う
でも、具体的に何をやったか覚えていない
その当時のことをだいぶ思い出したのに、その儀式のことだけまったく思い出せない

俺は家の倉庫を探ってみることにした
そこは小学生の時は俺の部屋だった場所だ
中学になった時、そこでは狭いからと他の部屋を俺の部屋にして、そこを倉庫にしたんだ
その当時のものが倉庫に残っているはずだ

俺はあちこちの棚を開けて、中に入っているものを引っ張り出した
テストの答案だとか、図工の工作物だとか、そういったものが出てきたが、儀式に繋がるものは何も出てこなかった