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心霊

あおちゃんさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

視えていたのだろうか
長編 2022/06/17 17:19 2,038view

今年4歳になる息子は、想像力が豊かだ。
その素敵な世界観を真剣な表情で語ってこられると、時々真実なのではないかと聞き入ってしまうことがある。

そんな息子がもうじき3歳になろうとする頃の話。

同じ年頃の子供たちに比べ、息子のお喋りは饒舌である。割と早い時期から会話のやりとりができるようになり、連れて行く先々で「お話上手だね、お喋り早いね」と感心されていた。
きっと、義母がよく面倒をみてくれていた賜物だろう。

赤ちゃん言葉が混じりながらも、お喋り息子とのやり取りは楽しく、意思の疎通も保育園のママたちよりは苦労することなくできていた(と思う。)

保育園からの帰り道、「今日は何して遊んできたの?」と聞くのが私の日課だった。

最初は私の「ほん、よんだ」としか返ってこなかった報告も、成長とともに「水で遊んだ、走りっこした、ケンカした、泣いちゃった」など、保育園生活をより詳しくしることができるようになった。

師走―。

時の流れがこんなにも早いものかと感じている頃、息子のお喋りの中に「おねえちゃん」が度々登場するようになった。
初めは気にならなかったが、あまりにも頻繁に出てくる「彼女」は、義母と夫にも話しているようだった。

近くの小学生が学習の一環で、保育園に遊びにくることがあった。
年上のお姉さんが大好きな息子は、それはそれは喜び、興奮気味にその話をすることがあったのでその話の延長かとも思ったが、小学生と遊んだのはその一度切りで、「彼女」はその時のお姉さんではないようだった。

お迎えの際、先生からも「近所にお姉さんいるんですか?○○ちゃん、いつもおねえちゃんと遊んでる!って教えてくれるんですよ^^」と言われたことがあったが、近所の小学生との関りはなかった。

寝る前に息子に尋ねてみた。

「○○ちゃんさ、いっつもおねえちゃんと遊んでるけど、保育園で遊んでるの?」
『ちがよ、ほいくえんじゃないよ』
「え?そうなの?じゃあどこで遊んでんの?」

『おうち!』
「????? お家なの!?」
『そう!○○ちゃんのおうち!」
「そっかそっか!(ままごとね!)お家で遊んでるの楽しそうだね!」

この時はおままごとの話でもしてるのか!くらいにしか思わず、あまり深く聞くことはしなかった。

翌日の夕方この会話を思い出し義母に伝えると、義母も息子に尋ねてみた。
「○○ちゃん、おねえちゃんどこいるの?」
『ここ!』(息子の隣を指さす)
義母・私「え?」
義母と目が合う。

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