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呪い・祟り

八尺マンさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

すみません 田中さんですか?
短編 2022/06/16 21:09 1,348view
ついこないだの話
会社に向かう途中、ランドセル背負った男の子が俺の方に走ってきて、目の前で止まると
「すみません! 田中さんですか?」
と聞いてきた
俺は何だ? と思いながらも
「いや、違うけど」
と答えたら、
「そうですか! すみません!」
とお辞儀して、また走り去っていった

次の日も同じ場所で同じ子が来て
「すみません! 田中さんですか?」
とまた聞いてきた
違うと答えたら、またお辞儀して走り去っていく

何かのゲームでもしているのだろうか
適当に目に付いた人に名前を言ってみて当たっていたら勝ちみたいな

それからもその子は何度も俺に名前を聞いてきた

田中さんですか、田中さんですか、田中さんですか

俺は毎回違うと答えた

ある日、俺は少し遅く家を出た
ちょっとばかし、朝のんびりしすぎていた
駅へ急いでいると、俺の前をおじさんがゆっくり歩いていた
朝の通勤時にたまに見かける人だ
どんな人かは知らないが、近所の人なんだろう

そのおじさんにあの男の子が近づいてきた

「すみません! 田中さんですか?」
「えっ? そうだけど、何か用かい?」
おじさんが頷くと、男の子は急に無表情になってその場で動かなくなった
「お・・・おい! どうしたんだ?」
おじさんは慌てた様子で男の子に話しかけた
俺も思わずその場で立ち止まってしまった
おじさんが肩を揺すっても何も変化がない

気を失ってしまったのか? それなら救急車を・・
と思ったところで、突然、男の子の口が大きく開き、

「見つけたーーーーーー!!!」
と大声を上げ、そして走り去っていった

その声がとんでもなく大きな声で、俺は思わず耳を塞いだ
男の子はあっという間にどこかに行ってしまい、俺とおじさんだけが残された

「なんなんだ? あのガキは? なあ。あんた、あの子供のこと知っているか?」

おじさんが俺に話しかけてきた

「いや、知らないです。変な遊びでも流行っているんですかね」
「そうなのかもな。まったく気味が悪いな」

おじさんとの会話はそこで終わった
俺は再び駅へと急いだ

変な子供だな
としか思わなかった

だが、その日の帰りにその場所に行くと、パトカー2台が止まっていて何やら警察官が電柱辺りを見上げていた

何かあったのだろうか
周りには野次馬が出来ていて、その中に知り合いのおばちゃんがいた
そのおばちゃんに何があったか聞いてみると、どうも電柱の足場の部分に縄を引っかけて男の人が首吊り自殺をしたらしい

俺は驚いた
だって、そこは頻繁に車が通る一般道なのだ
常に人の目がある場所だ
そんな人気のあるところで、首吊り自殺だなんてあり得るはずがない
だが、実際に起こってしまったのだ

どうして誰がそんなことを

そこまで考えて、俺は一つ嫌な予想が浮かび上がった

まさか、朝に子供に名前を当てられたあのおじさんじゃないだろうな

それからその自殺の件はテレビのニュースでも取り上げられたが、名前が公表される
ことなく、顔写真も出なかった
なので、あのおじさんだったかはわからない

でも、俺はそうだと思っている

その証拠にあれからあのおじさんは見かけなくなったし、あの子供も現れなくなった
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コメント(1)
  • おれは中田。

    2022/06/22/19:15

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