写真に映る不思議な「手」

友人が高校時代、サッカー部で起きた実話です。
3年生の夏、サッカー部は合宿をある地方で行います。
その夜に、携帯カメラで写真を撮って遊んでいました。

５、6人ほどで写っている部員の中に、知らない手が1本あります。

「これ見て。この手おかしくない？誰の手だ？」

1本の手は、部員の吉田という生徒の腕を掴んでいました。
確認すると、やはり誰の手でもなく知らない場所から伸びているようです。

「この手。心霊現象だ。ハハハ」

友人たちは、面白おかしく写真を楽しんだものです。
次の日、夜になり順番に風呂に入って行きます。
そこでも、携帯で裸の写真を撮って楽しみます。

風呂から上がり、写真を見ていたら再び知らない手が映っていました。
その手は、また吉田の腕を掴むようにあります。

「まただ。この手気持ち悪いな。」

吉田や部員は、だんだん怖さを感じたものです。
次の日、グラウンドで練習をしていた僕たちサッカー部。

練習試合形式で行っていたら、ゴール前にボールが上がります。

吉田は、ボールにを蹴りに行った所、他の部員と衝突をしてしまいます。
2人は、ぶつかりグランドに倒れ込みました。

「痛い。痛い。」

吉田は、腕を抑えて声を挙げています。
選手が集まり、痛さは激しいらしく病院へ行く事になりました。
すると、吉田は、腕を骨折していて全治2か月と診断されます。

それから、部員たちは携帯に写った「知らない手」が原因と口々に言いました。
不思議な手は、吉田に何か恨みでもあったのでしょうか？