背中のおじいさん
投稿者:ぴ (414)
私はいつでもどこでも幽霊が見えるわけではありません。
ただたまに波長があったときにうっかり見えてしまうことがあるのです。
そんな私が見た中で、一番くっきり見えた幽霊の話をします。
憑かれていたのはクラスでも一二を争うくらいに、やんちゃなクラスメイトでした。
そのとき、運悪く私はその子の後ろの席だったんです。
そしてその子が突然、やせ細ったおじいさんを背中に背負って前の席に座ったので、ひやっとしました。
おじいさんは彼の首にしっかり捕まっておぶさっています。
そのせいなのか、彼ははしきりに首を触ったり、肩が重そうなそぶりを見せていました。
私は見ないふりをしていたのです。
しかし、ここまでくっきり見えたのは初めてでした。
どうやらこのおじいさんは私に気が付いているようで、こっちを振り返ってはにへぇっと笑ってきて怖かったです。
とても不気味で私はぞぞっと寒気がしました。
それでもなんとなく気になってしまって、私は彼に聞いてみたのです。
「ねえ、おじいちゃん生きてる?」って。
そしたら「はあ、喧嘩売ってんの?生きてるわ」と言われました。
聞いた瞬間、後ろに背負われていたおじいさんがカクカクカクっと震えだして、私はかなり怖かったです。
生きてるなら誰のおじいちゃん背負ってるの!?と私は大声で叫びたかったです。
翌日にはまたその子の背中を見たら、あのおじいさんはいなくなっていました。
いや見える日がたまにあるだけなので、ただ見えなくなっただけかもしれません。
危害を加えられることはありませんでしたが、恐怖で寿命が数年縮まった気がしています。
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