奇々怪々 お知らせ

不思議体験

佐々木さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

赤い部屋
短編 2022/05/18 12:12 1,216view
2

実家の家の話です。実話です。

私は小学生の間は妹と一緒の部屋で寝ていましたが、中学に上がる頃に1人の部屋が与えられました。その部屋は家の2階にあり、狭くも広くもなく、お昼には日差しが差し込んで明るい快適な部屋です。元々その部屋は両親の寝室だったのですが、1ヶ月もしないうちに父が隣の部屋を個人部屋として使うようになり、母は1階の和室で寝るようになっていました。両親は仲も良いのですが、その部屋は数年何も無い空き部屋となっており、中学生になった私がそこを使うことになったのです。
私がその部屋で過ごし始めて数ヶ月経った頃、ぽつぽつと学校に行けなくなり、しばらくして完全な引きこもりになってしまいました。特にいじめられていたわけではありませんが、鬱になり、部屋から出ることが出来なくなりました。光が差し込むのが怖くてシャッターを閉め切り、自分が出入りするとき以外はドアの前に家具を置いてバリケードを作ったり。部屋にいてもただぼーっとしているか、泣きじゃくるくらいでしたが、その生活は結局中学を卒業するまで続きました。
そんな私も今はまともに働いていますが、脱引きこもりするに至ったきっかけがあります。

ある日、夢を見たのです。
小学生の頃までは庭でよくBBQをしていたのですが、夢の中でもその頃のように家族みんなでBBQをしていました。楽しくみんなで盛り上がっているとき、道路の方から2人、こちらに歩いてくるのが見えました。どんな姿格好だったかはあまり覚えていませんが…片方は老婆のような感じだったと思います。段々と近付いてきて、ついには庭のすぐ側まで来ていました。そして、

「あそこ、赤いからだめだね」
「本当は青じゃないといけないのにね。真っ赤だね」
と、私の部屋を指を指してニタニタと笑いました。

そこで夢は終わりでした。
ただの夢にしては何だかリアルで気持ち悪くて。その日から途端にそれまで過ごしていた部屋が怖くなり、シャッターも開けて、以前妹と一緒に寝ていた部屋で過ごすようになりました。その後、私は今までの引きこもり生活が嘘のように…とまではいきませんでしたが、少しずつ回復して外にも出られるようになりました。実は私が別の部屋に移った後、妹がその部屋で過ごすようになったのですが、妹もまた体調を崩して同じように学校に行けなくなったんですよね。父の単身赴任が始まってからは、妹もその部屋ではなく父の部屋で過ごすようになり、そこからは体調も良くなって学校に行けるようになりました。私のように何か夢を見たりとかはなかったみたいですが。
他にも、たまたま家に泊まりに来て、その部屋で寝ていた祖母が急に入院するほど体調が急変したりとか。単身赴任前の父は例の部屋の隣の部屋だったので、先程まで閉まっていたはずのドアが開いているのを何度か見たり、誰もいないはずなのに階段をのぼる音が聞こえたりもしたそうで、今でもビビってその部屋に入ろうとしません(笑)

霊感なんて全くない家族なのでそれまで霊的に考えたりしませんでしたが、今ではその部屋では寝ることはもちろん、基本的には入らないようにすることになりました。

1/1
コメント(2)
  • そんな部屋が家にあると考えるとゾッとしますね・・・

    2022/05/18/18:04
  • 「赤い」というのが何を指しているのか想像が膨らみます…
    何はともあれ、投稿者様が回復してよかったです!

    2022/05/18/19:57

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。