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不思議体験

座馬さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

敵か味方かわからないおばあさん
短編 2022/05/21 15:58 1,070view

僕には実際には存在しないおばあさんが見える事があります。

最初は祖父が病院に運ばれ、危篤状態になった時でした。
家族や親戚が集まる中、祖父の入院する階に行く為にエレベーターに乗ろうとしたら、目の前におばあさんが立っていました。
どちらかと言うと粗末な着物を来て、白髪交じりの髪を上に纏めています。
あっ、と思った瞬間、そのおばあさんは消えてしまいました。
僕は嫌な予感(死神かもしれない!と思ったり)がして、すぐに両親に「病院を変えた方がいいよ」と伝えたのですが、取り合って貰えません。
でもそのやりとりを横で聞いていた祖母が「その人、知ってるかもしれん」と言い出したのです。
祖父と祖母は若い頃、仕事の都合で別居状態だったそうですが、当時、祖父の家に通っている女性がいたそうで、祖母はこれを黙認していたそうです。
その方は所謂霊媒師を生業としていた人だったらしく、僕が見たおばあさんの姿にドンピシャで一致している、との事でした。

祖母からの勧めで病院を変えると、祖父は噓の様に快復し、その後10年以上生きたと思います。

この話には続きがあります。
兄が交通事故に遭い、足を骨折したのですが、お見舞いに行った入院先で、またそのおばあさんを見てしまったのです。前見た時と同じ姿で、待合室のソファーにペタンと座っていました。
祖父の時の事もあり、その話をすると両親はすぐに病院を変えてくれました。
すると、兄の骨折箇所は二か所あり、前の病院では一か所しか見つかっておらず、このまま手術をしていたら命の危険もあった、と診断されたのです。
転院先での手術は無事成功し、兄は今でも元気でいます。

僕がこのおばあさんを見たのはこの二度きりです。
最初は驚きましたが、二度目の時はあまり怖いとは感じませんでした。
このおばあさんが僕の家族を連れに来るのを僕が止めているのか、僕の家族に危険が迫っている時に教えに来てくれるのか、正直分りません。

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