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心霊

烏賊さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

霊界トンネル
短編 2022/04/29 12:32 780view

私の地元には今は使われていない古いトンネルが有るのですが、そこには深夜3時にそこを通ろうとするとあの世に連れて行かれるっていう噂話が有ったんです。

10年位前になりますが、友人と夜遅くまで飲んでいた私は怪談話で盛り上がっていて、友人がそのトンネルの話を持ち出して、丁度今からなら3時位にトンネルに着くから今から行こうという話になりました。

トンネルに着くと、私は薄ら寒さを感じて引き返そうと友人に言ったのですが、友人は立ち入り禁止のテープを無視してトンネルの中にどんどんと入って行ってしまったので、仕方なく私も一緒に入る事になりました。

そのトンネルは大体50mの真っ直ぐなトンネルとなっていて、昼間だと向こう側が見えるくらいなのですが、夜だとどこまでも続いているかのようでした。

照明もないような所ですので携帯の明かりだけが頼りで自分の周囲しか照らせず私はゆっくり歩いていましたが、怖いもの知らずの友人はどんどん歩いていってしまいました。

そろそろトンネルの出口も近づいてきた頃だと思った私は携帯の画面を見ると、時刻が丁度深夜3時になっていました。

「おーい」

不意にトンネルの出口の方から声が聞こえました。

見えにくいですが誰かが出口から歩いて来ています。

友人がその人に話しかけに歩いて行き、私も他の人の気配にホッとしと近づいて行きました。

その時先に向かっていた友人が踵を返すと入口へ向かって走って行きました。

私はびっくりして慌てて友人の後を追いかけてトンネルを出ました。

それから友人は全く口を開かずその日はそのまま解散となりました。

後日友人にしつこく訳を問いただしたらようやく友人は話してくれました。

あの時声をかけて来た人は友人の死んだ先輩だったという事です。

冗談かと思ったのですがあの時逃げ去る友人の顔が目に焼き付いていた私はその話をどうしても否定出来ませんでした。

あの時私達はトンネルから出ましたがあのまま出口まで行っていたら一体どうなってしまったのか、今でも頭を離れません。

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