母から聞いた怖い話「虫の知らせ」

これは私の母から聞いた実話です。

母が中学生の頃、上級生で夏休みに亡くなった男子生徒がいました。海での事故だったようです。

男子生徒の母親が後日、亡くなった息子の私物を受け取りに学校へ来ました。

担任の先生が付き添っていたのですが少し言いにくそうな感じである紙を渡したそうです。それは「夏休みの予定」を書く用紙だったようで、海に友達５、６人と遊びに行く予定が書かれていたそうです。そこには絵も書かれていました。テトラポッドの上で休んでいるような棒人間が数名、そのうちの一つが黒く塗りつぶされていたそうです。

その男子学生は、友人とテトラポッドのあるところまで泳いで行き、テトラポッドの上に登ったあと、岸へ戻ろうと海に飛び込んだ際、テトラポッドが崩れてきて海の中で下敷きになったんだそうです。とても不運で恐ろしい事故です。

母親の地元は田舎ですので事故の話はすぐに広まり、男子学生の死後怪奇現象が起きたという噂が立ったりそたそうです。それにしても、テトラポッドが落ちるなんて、どれだけ少ない確率でしょう。ましてや上に落ちてくるなんて。夏休み前に書いた男子学生の絵は、自分の未来を予知した虫の知らせだったのでしょうか。