奇々怪々 お知らせ

心霊

舞姫さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

1週間私の体の中で何してたんだ?
短編 2022/04/26 21:47 859view

20代中頃は、怪談話などでよく聞く“金縛り”にあったことは一応ありましたが、それほどはっきりしたものではなかったため、人の話を聞いてはその体験を羨ましく思っていました。
しかしそんなニブイ自分にも、ある日突然前触れもなく霊体験が起きました。

家族と近所のスーパーに、車で買い出しに行った帰りの事です。
後部座席に乗り込もうとしたところ、中央の突起部分に全身透明なやや大柄な男性が、二つ折りに小さく身をかがめて窮屈な感じで座っていたのです。
顔のない輪郭だけの妙に顎の長い大きな馬面をこちらに向けており、じいっと見つめるようなその仕草がとても気持ち悪くまさに幽霊という感じでした。
全体的に今の時代の人ではなく、1960年代頃のヒッピーファッションの男性でした。
髪は長めのきついカーリーヘア、ピタッとしたローライズバンツ、20代後半~30歳くらいです。

はじめて見たわ…こんなもん…。
気味悪いものの、それほど恐怖を感じなかったため、車で帰宅したかった私はそのままエイッと乗り込んでしまいました。
今思えば、乗り込むのをよして歩いて帰れば良かったのです。
乗り込んだ瞬間、右側の耳がピーッと気圧が変化する時の音がしました。
すぐ右隣に居た母は何位も感じることがない様子でニコニコおしゃべりに夢中で、この異常な状態に全く気が付いていない様子です。

20代の毎日は慌ただしいもので、すっかりそのようなことも忘れ去った1週間後の夜に、これまで体験したこともないほどはっきりとした金縛りにあいました。
恐怖におののいていると、幽体離脱のように、自分の頭から上半身をムクッと起き上がるあの男性の姿を感じました。

私の体に重なるように入っていたようです。
上半身を起こしたその男性は、スウッと体から抜けていき部屋の外の廊下の上方天井へ静かに消えていきました。
下半身というか足はなかったです…。
金縛りは解けたものの、恐怖感ハンパなかったです。
もう金輪際、金縛りなんか絶対嫌!と、心に決めた瞬間でした。

金縛りにあって霊体が体から抜けるまでの間は1週間ほどだったのですが、体調の変化や異常な出来事などは一切なかったはずのため、一体その1週間もの間自分の体の中で何してたのだろうか?と、今でも気味悪いです。
それ以来、なんだか右側の首筋あたりが敏感です。

1/1
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。