トイレの花子さんが出る学校

ある学校で噂話があった。

「トイレの花子さんを見た」という男子高校生グループが言う。

そんな馬鹿な作り話が学校中に広まった。

学校の休憩時間にどうしてもトイレの花子さんが出てくる噂話が気になるのでトイレに入った。

すると、そこには灯りが一つだけあるだけで奥には薄暗く真っ暗だった。

なんか不気味だったので、すぐに出ようと思った。

トイレを出ようと振り返ったその時、奥の個室から誰もいないはずなのに勝手に水が流れる音がした。

怖くなった僕は、ゆっくりと後ろを振り向くと誰もいなかった。

出ようとして一歩ずつ進むと

「誰かいるの？ちょっと、行かないで」

女の子の声がした。

「ねぇ、私を助けて」

と女の子が僕に声を掛ける。

金縛りにあったように体は動かず、呼吸も出来なくなりその場を離れることできなかった。

女の子が僕の服を引っ張って

「こっち向いて」

と言った。

振り向いたら死んでしまうと思った。

顔を上げないで下を向いたまま目を開けると赤い靴に赤いミニスカートをはいた下半身が見えた。

「これは…トイレの花子さん？」

僕は、無我夢中でトイレから這い出るようにして逃げた。

このことがあってからその学校では、絶対に出るトイレの花子さんが有名となった。