おとこ様のお祭り
投稿者:みりん (9)
我が家の周辺にはお堂とお社があります
お堂は、昔あったというお寺の観音堂
もう一つが「おとこ様」と呼ばれているお社です
観音堂は一年に一度お祭りがあります
お寺の元檀家が集まる、ごく小規模ながら賑やかで明るいお祭りです
一方「おとこ様」と呼ばれるお社のお祭りは「部落」と呼ばれる狭い地域の男性だけで行われます
ある年、おとこ様の草刈りに出かけた父から電話がありました
「忘れ物をしたから届けてほしい」とのことで、玄関に置いたままのお菓子を持ってお社に向かいました
この時期に部落の男性たちが集まって草刈りをしていたのは知っていましたが、草刈りの後にお祭りをしているのは知りませんでした
私がおとこ様のお祭りの日にお社に登るのは初めてでした
石造りの無造作な階段で、先ほど刈り払ったとは思えないほど道は鬱蒼としています
お社の前では、部落の男性たちが缶ビール片手に焼き肉をしていました
杉の葉が落ちてる中で焼き肉とは…と思いつつお菓子を渡すと、いきなり肩に抉られるような痛みを感じました
じくじくと広がる痛みに蜂にでも刺されたのかと思いましたが、翅の音は聞こえません
むしろ体の奥まで突き刺さってくるような感覚さえありました
あまりの痛みに恐る恐る肩の先を見ようとすると、私とお社の間に割って入るように一軒先のお宅のおじさんが現れました
痛みはすぐに消え、何がなんだかわからない私におじさんは「足元に気を付けて」とにこやかに帰るよう促します
元より長居する気はなかったのですが、お社の方から突き刺さるような空気を感じて逃げるように家に戻りました
帰ってすぐ母に肩を見てもらいましたが、体には特に異常は見当たりませんでした
おとこ様にはいったい何が祭られているのでしょうか
女性の私に、知る術はありません
九州の話かな?