私と手を繋いだのは誰？

私が中学生の時の話です。

夏休みにやって来た林間学校で肝試しをする事になりました。

暗いキャンプ地に手作りのお化け人形やお化けに扮した生徒が驚かせに来ると言うものです。

一緒に行くグループの子達はワクワクした様子でしたが怖がりな私はドキドキしていました。

私のグループの番になり恐る恐る歩みを進めます。

案の定私は1つ1つのお化けに驚き、何も無い所でも何時驚かされるかとヒヤヒヤしていました。

友達は笑っている子も居ましたが私は恐怖で軽いパニック状態です。

堪らず誰かの手に縋りつき涙目で進みました。

ゴールが見えるとホッとして繋いでいた手が緩み離れて行きました。

もう怖い思いをしなくて良いと安堵しました。

友達と感想を述べ合い私の余りの怖がり様をからかわれると共に「あの時手をつないでくれたの誰？」と尋ねました。

友達はきょとんとして口々に「私じゃない」と言います。私はゾッとしました。

私は確かにあの時誰かと手を繋いでいたのです。

私が余りに怖がるから見かねた幽霊がエスコートしてくれたのでしょうか。

あのまま変な所に手を引かれなかったのできっと良い幽霊なのだと言い聞かせましたが、やはり正体不明のものと手を繋いだ恐怖心は拭えませんでした。