風呂場の手形

これは友人が以前に住んでいた賃貸住宅での体験です。

どこにでもある様な1LDKの部屋が8世帯ある二階建てアパートの一階でした。

実際一階は車庫なので階段を上がって部屋に入ります。玄関を入ると正面にトイレがあり左側に部屋へ入る扉があります。

部屋に入ると正面は窓で、左手にキッチンがあり、右手の1番奥に扉があり、そこが洗面脱衣所と洗濯機置き場、そしてお風呂です。

部屋自体も至って普通で、強いて言えば少し築年数が経っており古めかしい感じはありましたが、友人は学校から近いので気に入って住んでいました。

ところがある時から部屋の様子がおかしいと言うようになりました。

お風呂に入っていると人の話し声がするというのです。お風呂から出るとそれはピタッと止まってしまうのです。

結局よくわからず、構造上の問題でどこかの部屋の音がお風呂場に聞こえるんじゃないのかという話に落ちつきました。

けれどさらにその数日後、今度はお風呂に手形がでる、と言うのです。

はじめは自分が触ってついた手形だと思い洗剤で洗い流したそうです。

けれどまた翌日も付いていて、また洗い流したのに、また翌日も。

それが数日続いたそうです。

さすがに気味が悪いと言って数日別の友人宅に泊まったのですが…。

それから2日後、友人宅の上の階の方が風呂場で亡くなっているのが見つかったそうです。

けれど不思議なことに、友人がアパートから避難した日に見かけたそうなのですが、死後1週間程は経っていたそうです。