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妖怪・風習・伝奇

平家さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

座敷童・・・?
短編 2022/04/01 11:38 1,971view

十年ほど前の、私がまだ高校生の頃の話です。

2009年、当時【座敷童がでる!】と、よくテレビに紹介されていたとある旅館が火事になったのです。
その前日のこと。少し不思議な夢を見たのです。

私の家は戦前から残っていて、近所の小学生が資料として見学に来てしまうような、ボロボロの家でした。
サ〇エさんの朽ちた家バージョンを想像してもらえると、わかりやすいでしょうか。
小さな縁側があるのですが、足場の木の半分以上が腐って落ち、ガタガタの木琴のようでした。

家の人間なら危ないと解かっているその縁側に、珍しく座っている子供がいました。
鮮やかな翠色の光沢のある半纏を着ていて、横顔は幼く、小学生低学年くらい。
静かに静かに、シャボン玉を吹いていました。

私『こんにちは。どこから来たの?』

子供『・・・・・・・・・・』
何も答えず、シャボン玉をとばしています。
私も黙って、その様子を見守っていました。
すると
子供『おうちがね、火事になっちゃったの』
と、とても寂しそうに言うのです。
私『そうなんだ。じゃあしばらくここにいたら?』

子供『ほんと?!ありがとう!!』
と、満面の笑みでこちらに向けた笑顔の半分。左側が焼けただれていて、目は暗い光を放っていました。
『うわ!』と驚き目を覚ましましたのですが、珍しく、あまりに鮮明にその夢の内容を覚えていました。

そして一抹の不気味さが拭えないまま、朝の通学準備をしていると、テレビから
【座敷童で有名な旅館で火災発生】
というニュースが流れてきて、直感で『さっきの子だ!!』思ったのです。

【もしかして座敷童が家についたのか⁈】という淡い期待と、得体のしれない偶然が半々くらいでした。

しかしそれからといものの
幸せが訪れるどころか、両親は不仲になって離婚したり、ラップ音がすごく不眠症になったり
野良猫が勝手に集まるようになって夜通し鳴いていたり
結局その夢から半年以内に、色んな不幸が重なり、その家を出て家族バラバラに暮らすことになりました。

ただの偶然かもしれません。
ただ、あまりに色んな事があの夢と火事のタイミングに重なりすぎました。
そして今になっては、自分が【いてもいい】と許したあれは、良くない【なにか】だったのでは、と思うのです

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