空き家の壁に写ったもの

私は不動産売買の仕事をしています。
私が担当するエリアは愛知県でも売買が活発に
行われている場所で、毎日のように御客様から
連絡をいただいています。
特に多いのが家を売って欲しいという依頼で、
その日も依頼主が指定した空き家に向かっていました。
今回の依頼は相続した空き家を売りたいという
御要望でした。依頼主は依頼物件には小さい時に
住んでいただけということで、その日も別の所から
来るとのことでした。

季節は8月の午前中。
既に30度越えの炎天下で、外で依頼主を待っていると
少し遅れるとのこと。

「まじかー」と思っていましたが、車を別の場所に
置いてきたので仕方なく外で待つことに。

この町は大手自動車会社の本社が
いくつもあり、日夜関係なく人が溢れています。
コロナ過ということもあってかなり人通りは減って
いましたが、それでも目の前の通りには園児や学生
が沢山歩いていました。

スーツ着ているサラリーマンがただ立っているのも
人目を惹くので、依頼物件の周辺を調査している
ような雰囲気だけだしておこうと、メジャー片手に
撮影をして時間を潰していました。

建物は築50年近いとの情報でしたが、
外観はそんなに古い印象は受けませんでした。
手入れはされていなかったようで庭に草木が
生い茂っていましたが、それ以外は特におかしな
所はないような印象を受けました。

10分ほど建物を見て回っていると、依頼主が到着。
依頼主に鍵をあけてもらい、中に入りました。
そこで感じたのは、「寒い」という感覚です。