夜勤でのナースコール

これは私が高齢者向け介護施設で働いていた時の話です。
私が働いていた介護施設ショートステイというお泊まりを基本とした高齢者の方がいらっしゃる施設でした。

しかし、もう長いことご自宅へ帰られていない方や、高齢者の為急変して亡くなられた方などもいました。
介護施設ではよくある話です。

また、ショートステイというサービスの特徴ですが、毎日いらっしゃる入居者様が違うことです。
そのため、居室に空きがあることももちろんあり、空いている居室は外から鍵をかけていました。
鍵といっても簡易的なもので、フォークのおしりで回せるようなタイプのものでした。

ある日、私は夜勤の仕事をしているとナースコールがなりました。
しかしその居室はその晩誰も泊まっていませんでした。
職員が鍵をかけ忘れていたなんてことも珍しくはないので、その居室に認知がかなり進んでいてイタズラをしてしまう入居者様が入ってしまったのだろうと思い、私は居室へ向かいました。

居室へ着くと鍵がかかっていました。
しかし、その入居者様は鍵をかけてしまうことがあるため不思議にも思わず鍵を開けて入りました。

すると、そこには誰もおらず、ナースコールの線は繋がっていなかったのです。
繋がっていないナースコールを押したのは誰なのでしょうか。