夜中の遭遇

高校生の時に体験した本当の話。

俺の部屋は２階。トイレは１階にしかなかった。夜中、

「ガチャッ」

という音で目が覚めた。
下で寝てる両親が起きてるのかな、と気にしなかった。

目が覚めたついでにトイレに行こうと思って起き上がり、階段に差し掛かると、

知らない人が立っていた。

まさに階段を上がり切る寸前だった。

暗いので表情まではハッキリ見えないが、明らかに知らない人だった。多分、男だったと思う。

一瞬の間に色々と考えた。
隣の部屋で寝ている妹と、１階て寝ている両親を守らなければ。でも怖い。どうする。どうする？

そいつを思いっきり蹴飛ばした。

そいつは凄い勢いで転げ落ち、「うっうぅ…」とうずくまった。でもすぐに立ち上がって、背を曲げた状態で這うようにして玄関ドアを開け、出て行った。

ドアが閉まって少し間があったのち、

「ガッッチャン」

と音がした。鍵が外から締められた音だった。

すぐに警察を呼んだが、そいつは捕まっていない。
当然、鍵は付け替えた。