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不思議体験

ぷーさんさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

狐霊を連れて帰ってきた
短編 2022/03/24 06:01 1,349view

昨年某日、全国でも有名な東北の神社にお参りに行きました。
自宅のある市内に戻る頃には、時計の針がすでに21時をまわっていました。

自家用車を走らせていると、車の50m先前方を、一瞬茶色の動物が横切りました。

そこは高速道路から国道に下りる付近でした。
その時はなんとなしに「狐」だと感覚で思いました。
なぜなら体格も毛色も動きも犬というより、「狐」に近い気がしたからです。

後から考えてみるとちょっと不思議でした。
そこは車が横車線に4台並ぶほどの広い場所で、他にも数台車が走っていたのです。

「狐」らしきその生き物は往来する車の間をぬうように、風のように走り去っていきました。

しかも住宅街の上の道路で「狐」が通れるような場所ではありませんでした。

不思議に思いながらも、神社をお参りした後なので、そういうものを見てしまったのかなと思いました。

それから数日後、深夜2時頃のことです。
夜中に目を覚ました私はぼんやりと半覚醒状態の中にいました。

すると、何やら女性らしき人の声がしてきたのです。
「あ」とも「う」ともつかない一定のペースでかなりの高音でした。

自宅の前は道路沿いで人や車の往来が多く、だれかがいたずらで声を出して歩いているのかなと、その時は思いました(そんなもの好き、いないか・・)。

その声のする方角は隣の民家の駐車場あたりで、ぐるぐると廻って歩いているようでした。

私は他の住宅の人達は変に思わないのかしら?と、次第に恐怖心が湧いてきました。

それから、その不思議な声の主は隣の駐車場から隣の家の玄関の前に移動し、また廻っているようでした。
不思議なのですが、本当に廻っているように聞こえるのです。

そして、少しずつゆっくりその声はこちらへ近づいて来ました。
自宅の北側から東側へ、東側から南側へとぐるりと我が家を取り囲むようにして、徐々に迫ってきました。

私は怖くて目を開けずにずっと耳を澄ませていました。
その声の主は、私が寝ている場所の前で止まり、そこに立ち止まったまま動かず同じように声を出していました。

私は怖くてじっと息をひそめていました。どれくらい時間が経過したでしょうか?おそらく数分程度かもしれません。ふと、気づきました・・・・
・・・それは隣で寝ている母のいびきで・・・吸い込まれるように・・・・・消えていきました・・・・。

安心したと同時に、狐霊を連れて帰ってきたのかな・・・と、「ふふふ」と楽しくなりました。私は動物霊があまり怖く感じないのです。

まあ、とりあえずその後も障りもなく、元気にすごしているので心配はしていません。

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