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ヒトコワ

りうさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

よろしく頼む
短編 2022/03/20 21:22 1,713view
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中学の時、仲の良い鈴木君がいた。大体いつも一緒につるんでいた。お互い大人しい性格だったので、夜中に聞いたラジオのことや漫画のことなど、話題は尽きなかった。
2年生のクラス替えで、クラスが別々になった。
俺は気の合う友達ができて、ゲーセンやカラオケなど、遊び方が今までより活発になった。
鈴木君はというと、新しいクラスに馴染めず、いつも寂しそうだった。だから俺から時々は声を掛け、たまには一緒に下校した。

でも、それを見た新しい友達たちが俺ら2人をヲタク仲間だなどとからかうので、徐々に鈴木君との関係を意図的に持たないようにしていった。鈴木君も察っしてくれるだろうと思いきや、毎日のように俺のクラスにやってきて、俺に絡もうと必死だった。正直、かなり迷惑に感じていた。

ある日から鈴木君が登校しなくなった。先生が毎日、家庭訪問しているようだったが、原因は分からなかった。
しばらくして鈴木君の担任から、鈴木君に会ってやってくれないかと頼まれた。どうも、鈴木君が俺に会いたがっているとのことだった。気乗りはしなかったが、今まで俺がした仕打ちを思うと、それぐらいの要望には応えてやろうと思った。

学校の帰りに鈴木宅を訪れると、お母さんが出てきた。
俺の顔を見るやいなや、目を見開いて驚いたが、

「息子がアナタに会いたがっているの。ドウゾお上がりください」と言われ、2階の鈴木君の部屋に促された。
家に入って2階に上がる途中、不思議に思った。

俺は、鈴木君の家族に会ったのは初めてだった。
多分、鈴木君のお母さんは俺の事(顔)を知らないはずだ。
なのに、俺の顔を見て、よく知っているような素振りだったし、あの驚いた態度は何だったのか…

鈴木君の部屋の前に着いた。お母さんが俺に
「よろしく頼むわね。」と言った。
ん?と思ったが、俺は「鈴木君、来たよ。」
と声を掛けながらドアを開け、部屋に入った。

鈴木君は赤いネグリジェを着てベッドに腰かけていた。
部屋の壁や天井あらゆる場所に俺の写真が貼られている。

「ずっと待ってたよ。」

俺は血の気が引いて部屋から出ようとしたが、
ドアが開かない。鍵はないのに。
誰かが外側からドアを押していて開かないのだ。
外側から声が聞こえた。

「よろしく頼むわよ。」

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コメント(2)
  • どういう意味だろう…

    2022/03/21/15:47
  • モーホーかな?

    2022/03/29/01:23

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