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心霊

yumyさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

友達の家の上に潜むもの
短編 2021/01/23 12:23 1,286view
10代のときに仲が良かった友達のアパートに、私はしょっちゅう遊びに行っていました。三階建てのアパートの二階に住んでいる友達、ちょっと古いアパートで、住人と会うことはなかなかありませんでした。

三階建てですから、当然エレベーターなどもありません。階段でたまに会うのは、古いアパートに似つかわしくない、清楚系の若い女性くらいで、顔を見たら会釈くらいをしていたのです。友達の家に泊らせてもらうことも多かったのですが、そのたびに上の階の足音がドタドタと響きます。うるさいなと思いながらも、友達は気にしていないようだったので、ここで私が家のことに難癖をつけるような感じになるのはよくないかも知れないと思い、何も言いませんでした。

しかし、行く度に足音が響いており、どうしてこんなに普通にしていられるのかなと不思議に思っていました。たまにすれ違う清楚系の女性かもしれないし、まだ会ったことがない住民かもしれない。私が住んでいるわけではないので、苦情を言うわけにもいかないしと、黙っていたのですが、ある日とうとう我慢できないくらいに足音が響いてきて「うるさくない?」ときいてみたのです。

すると、友達は不思議な顔して「テレビ?」と聞いてきたのです。「いや、上」と言っている間にもバタバタと足音が響いています。何度も走りながら家の中を行ったりきたりしているとしか思えないその足音がうるさくないというほうがおかしいのです。しかし、「うえ?」と全く聞こえていないような反応をしたのです。

ここで私は初めて気がつきました。聞こえていないかのように、ではなく本当に聞こえていないんだと。「気のせいかも」とごまかしたものの、友達は上になにかあるとピンと来たようで、三階に行ってみようと言い出しました。苦情を言いに行くのではなく、ドアに耳を当ててなかの様子を聞いてみようと。

私はいやな予感がしていましたが、ずっと音が気になっていたので、思い切って三階へと行くことに。階段をそっと上がってドアの前に行ったのですが、3部屋あるドアには全て空白を示す書類がかけてあり、ポストはテープで止められていました。全て三階は空室だったのです。友達は部屋のドアに耳をあてましたが、もちろん何も音はしません。

すると、いつもすれ違う女性がいつのまか現れたのです。「うちに用ですか?」と聞かれ、わたしたちは慌ててその場を離れました。空室なのにうちって言ったよね、無断で出入りしているんじゃないのと言いながら、その日は眠ることに。その日も夜中、私は足音で眠ることができませんでした。

空白の部屋から音がすることに怯えた友人は大家さんに言って、部屋を確認することになったのです。私も立ち会うことになり、大家さんはしぶしぶといった感じで部屋に案内してくれたのです。そっとドアを開けると、カビの匂いがし、換気されていないことが分かりました。

「足音なんてネズミかな」と大家さんは言っていた通り、部屋はがらんとしています。しかし、その足音がネズミじゃないことは分かっていました。いつもすれ違っていた女性が、バスルームに呆然と立ち、私たちを睨んでいるのですから。大家さんも友達も、そのおそろしい形相の女には気がついていません。

ここを出なくては、ここは彼女の家なんだと思い、とっさに「ごめんなさい!部屋を間違えました」と言って外に出ました。二人も驚いて私に続いて外に出ました。そこで、大家さんに女性のことを問い詰めると、数年前にこの部屋で自殺した女性がいることを教えてもらったのです。もう20年以上も前のことらしいのですが、ここに入ってきた人はすぐに出て行ったりとおかしなことが多かったため、三階は封鎖していると打ち明けられました。

どんな自殺の方法だったのか知りませんが、その話を聞いて、急にあの足音は走っているのではなくもがいている音だったのではないかとゾッとし、友達はそのままその家を出てしまいました。その後、数年でその家は取り壊されましたが、今でもあの足音は耳に残っています。
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関連タグ: #事故物件
コメント(2)
  • 百歩譲って自殺しても化けて出るなと!大家さん可哀相だろうが!!
    残穢思い出しちゃったよー(涙)

    2021/01/23/21:20
  • 数年前にこの部屋で自殺した女性がいることを教えてもらったのです。もう20年以上も前のことらしいのですが
    どうゆうことかな?

    2021/04/16/00:18

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