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心霊

Cさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

本格的な百物語
短編 2022/02/27 17:31 1,046view

ある怪談師が主催した百物語イベントに参加した時の話です。

そのイベントはお寺の本堂を借り切った本格的な催しというふれこみで、参加者と同じ人数分の蝋燭が用意されています。
さらには本式にのっとって別室に蝋燭と鏡をおき、自分の番が終わり次第そちらに移動する決まりになっていました。

百物語はスムーズに進行しました。暗闇の中で聞くとどの話も大変怖く思えます。とうとう私の番がきました。

緊張の面持ちで語り終えたのち、別室に移動して蝋燭を吹き消し、文机に伏せられた手鏡を表返します。本式の百物語ではこうして幽霊の有無を確認するのです。

ところが、どうしても鏡を覗く勇気がでません。まあいいや、黙っていればバレないだろうと一抹の後ろめたさと共に腰を上げた時でした。

風がないにもかかわらず一斉に蝋燭の炎が揺らめき、かと思えばボボボボボッと見えない手で摘まんだように消え始めたのです。

「うわああああああ!」

すっかり肝を潰して逃げ帰れば、皆が青ざめて出迎えます。

あれは私のズルに怒った幽霊のいたずらだったのでしょうか?真相は知りたくありません。

肝心の蝋燭が全部消えてしまったので、結局百物語は中止されてしまいました。

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関連タグ: #寺#心霊#百物語#鏡
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