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心霊

塁さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

私が体験した怖い話「黒い影」
長編 2022/02/27 16:01 2,044view

これは私が7歳から20歳ごろまでの間に体験した話です。
1. 私の生い立ち
私の生い立ちから話していきます。私はごく一般的な両親のもとに長女として誕生しました。健康に育っていたのですが、ある特徴がありました。幽霊が見えることです。見えるだけではなく、声も聞こえる子どもでした。両親は気づいていませんでした。
「子どもや犬などの動物は幽霊がみえる」とよく言いますよね。それほど珍しいことではなかったと思います。

2. 幽霊を見た
私はよく両親とお寺に行っていました。そこにお墓がありました。そのとき、母に聞いたそうです。「あそこにいる白い女の人だれ?」と。母は「そんな人いないよ」と言いました。私は「あの白い女の人はこっちを見ているのにおかしいなぁ」と思っていました。私はその人に手を振っていたそうです。そんなことが何回もあり、母はこの子は霊が見えるんだと思ったそうです。

3. 事件1回目
幽霊が見えるのが日常になっていた頃、またいつものお寺に両親と出かけました。小さい頃ではっきりとは覚えていません。ただ、たくさんの大人とお歳をめした住職さんみたいな人がいたのを覚えています。その住職さんも幽霊が見える人でした。
私と一歳下の妹は2人で遊んでいました。お寺は2階だったので、階段の上で遊んでいました。

そのときです。幽霊が現れました。それまでも幽霊はいつでも見えているというより、「ときどき現れる」という感じでした。そのときの幽霊はそれまでと違っていました。「黒かった」のです。「不思議な幽霊だなあ」と思ってしばらく遊んでいました。
まもなくして事件は起こりました。私が階段の上から落ちたのです。2階にいた大人はたくさんいました。でも離れたところにいました。
そして一緒に遊んでいた妹は落ちませんでした。すごい勢いで「落とされた」ので私は骨折しました。そのとき階段の上を見ましたが幽霊は消えていました。泣きながら「落とされた」と言ったんですが、大人は信じてくれませんでした。これが1回目の事件でした。

3. 事件2回目
幽霊に落とされてから10年ぐらい経った頃、私は高校生でした。
高校生の頃にはあまり幽霊は見なくなっていました。見ても一瞬通りかかったのが分かるくらいでした。
ある日の昼休憩、学校の廊下をものすごい勢いで走る、というより移動する黒い幽霊を見ました。1回目の事件のときに黒い幽霊を見たので、悪い予感がしていました。
昼休み後の授業で事件は起こりました。急に声が出なくなり、冷や汗をかき始めたのです。動悸も始まりました。午前中は元気だったので急激な体調悪化に驚きました。
授業が終わる頃には体調は戻っていましたが、その日は早退することにしました。友達に「幽霊を見た」と言ったら怖がられると思い、言えませんでした。

このときに黒い幽霊が見えると何かが起こると理解しました。

3.事件3回目
社会人になったころ、母と車で出かけていました。運転をしていたのは私です。ショッピングセンターへ行ったのですが、そこでまた黒い幽霊を見てしまったのです。前を通りがかるように過ぎていきました。嫌な予感がしました。
ショッピングの帰り、駐車場を出ようとしたとき、接触事故を起こしてしまったのです。

4. それから
子どものころから3回ぐらいの事件を経験してから数年後。ここ最近の話です。階段から落ちて骨折したときの話を母としていました。
母は「幽霊に嫉妬されて落とされたんだよ」と言いました。私は幽霊がみえたので、楽しそうにしているのが許せなかったからじゃないかと言いました。
確かに黒い幽霊は笑っていました。不敵な笑みだったと思います。高校生のあの時も、車の事故を起こしたときも、笑っていました。そして私に何か言いました。
思えば何か起こったのも、友達と楽しく話していたり、母と楽しく買い物をしていたタイミングでした。幽霊には面白くなかったんですね。

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