知らない男性がテレビに映って見つめ合った話

私が大学生の頃、カフェでバイトをしており、終わって家に帰ると毎日深夜12時を回っていました。帰るとテレビを付け、ぐだぐだとお菓子を食べながら眠くなるまで過ごすというのが日課で、その日も同じようにテレビを付けお菓子を食べていました。

ぼーっとしながらテレビを見ていると、付いていたテレビが突然消え、そこに知らない男性の顔が白黒で映ったのです。私はその間目が離せませんでしたが、10秒位だったと思います。

またすぐにテレビの映像が流れだし、私は何が起こったのかわからず混乱しました。

「今のは何？そして誰だったのだろう。」男性は驚いた表情で、私を見ており、60代位の頭のはげたおじさんで、肩から上部分が映っている感じでした。

考えていると徐々に恐怖に変わり、その日は母の部屋で寝ました。

次の日、母にその話をしましたが「向こうもあんたを見て驚いたんじゃない。」と笑って冗談を言い信じてくれませんでした。

数日後、いつも通りバイトをしていると、どこかで見たことのある頭のはげた男性がお店に入ってきました。

私は、すぐには思い出せませんでしたが注文を取りに行った時、あの時のテレビに映った男性だとなんとなくわかりました。

向こうも何故か、私のことを知っているような雰囲気で、驚いた表情をしているのです。お互いに「あれ、知ってますよね…」みたいな空気になり、私は男性がテレビに映った話を思い切ってしてみたのです。

すると男性も興奮した様子で、夜中パソコンで仕事をしている時、突然画面が暗くなり、白黒でぼーっとしている私が映ったと話してくれました。

私と男性はびっくりしました。お互い、電気を通して映ったのでしょうか？何の共通点もなく、全く知らない人なのに、画面を通して、お互いに見てるってやばくないですか？

こんな体験をした人は他にいるのでしょうか。

その後男性と会うことはありませんでしたが、一体何の意図があり、こういうことが起こったのか、未だ不明です。