小さいおじさんはいる！

芸能人が一時期こぞって話していた小さいおじさんの話覚えていますか？私もそれを聞いて、「嘘つくな」と当時は思っていたものです。そんなものいるわけがないし、いたとしたらもっと誰か証拠を残していると思いました。でも実際にこの目でみたら話は変わりました。

私が小さいおじさんを見たのは、大人になってからでした。当時会社勤めで、私は心身ともに疲れ切っていました。仕事も失敗だらけで上司から厳しいことを言われて、もう本当に疲れ切っていました。だから友達と一緒に温泉宿に泊まってリフレッシュすることにしたのです。気心の知れた仲のいい友人と一緒だったことで、身も心も蕩けるような楽しい旅でした。

そんな私が部屋で泊まる荷物をチェックしているときに、ふと見たらテレビの台によじ登っている小さなものを見つけました。最初は「なにこれ？」と思って呆然としましたね。よくよく見たら人間を小さく小さくしたフィギュアのようなものでした。私は「あれだ、小さいおじさんだ！」と思いましたね。でも声が出ないんです。びっくりしすぎてしばらく体が動かないで呆然としてしまって、気づいたらその小さなおじさんはテレビの台の裏側に入って見えなくなりました。

あまりの驚きから覚めて、動けるようになったのはおじさんが見えなくなってからのことでした。でも確かめるのがしばらく怖くて確かめることもできませんでした。丁度部屋の外で電話していた友達が部屋に戻ってきて、すぐさま小さいおじさんの話をしたけど、友達は「本当に疲れてるね」と笑ってまともに信じてくれませんでした。でもあれ以来私は小さいおじさんはいるんだと信じています。だって実際にこの目で見たのですから。そしてなぜだかそれから仕事が楽しくなってきて、うまくいくようになりました。ただの偶然で、直接は関係ないのかもしれないけど、私は小さいおじさんは何かいいものなのだと信じたいです。