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呪い・祟り

出て行ってください
短編 2021/01/11 01:31 1,357view
大学の友人で、ある地方の出身のEさんの話です。
Eさんは病気で1年ほど休学していたのですが、その原因を教えてくれました。

Eさんの実家の集落には、代々伝わる儀式があるそうです。
それは、12月のある決まった日に、必ず玄関を開けて電気を点け、寝る前に必ず「出て行ってください 出て行ってください」と何度か念じないといけないというものです。

Eさんがまだ小学生の頃の話です。
その儀式の日は例年よりも気温が低く、玄関を開けるととんでもない寒さになっていました。
Eさんはその儀式について親に聞くと、年末の厄払いで1年間健康に過ごせるようになるためものだという事でした。
その集落はみんなそうしていて、どんなに寒くてもその日だけは我慢しないといけなかったのです。

Eさんは翌日学校へ行くと、友達に
「昨日はドアを開けないといけなかったからメチャ寒かったな。」
と話したところ、
「ドアを開けてた?あんな寒い日に?」
と不思議そうな顔をされたそうです。
家族が当たり前にやっていたその儀式は、その地方では一切やっていませんでした。
Eさんの集落は親戚ばかりで、その儀式をやっているのはEさんの家族と親戚だけだったのです。

その日は、Eさんが大学のサークルに入って初めての忘年会でした。
何とか日付が変わる前にアパートに帰ってくると、すぐに玄関を閉め、電気も消してそのままベッドに潜り込みました。

ウトウトしていると、暗い部屋の中、ベッドの横に誰かがいる事に気が付きました。
よく見ると、それは男性のようですが、こちらに背中を向けていて顔や年齢まではわかりません。
男性はゆっくりしゃがむと、背中に負ぶってこい、という動作をしています。
不思議でしたが、ここでEさんは思い出しました。今日はあの儀式の日だったのです。
Eさんは「出て行ってください出て行ってください」と何度も何度もつぶやきましたが、男性は部屋から出ていきません。
男性は何度も出て行こうと試みますが、玄関が閉まっているので出ていけないのです。
その様子を見ているうちに日付も変わり、結局Eさんはそのまま眠ってしまったそうです。

それから1年間は、Eさんは原因不明の病気や骨折をしてしまい、大学に来れなくなったのです。
もちろん、翌年は儀式をきちんと行い、無事健康に過ごすことができた、という事です。
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